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日本国債格上げの裏の裏

市場が見透かす財政出動の限界

2009年6月1日(月)

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 景気浮揚のために日米欧が実施している巨額の財政出動が、世界経済を支えるマネーの流れに変調を起こし始めている。

 まず過去最大の経済危機対策(財政支出で15兆4000億円)の財源に充てる約17兆円の国債(財投債含む)発行が見込まれる日本では、膨大な増発で国債価格の下落と長期金利上昇の懸念がくすぶり出している。

次は米国債の格下げ?

 「格下げかと思ったら格上げだった」。米格付け会社、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが5月18日、日本国債の格付けを上から3番目のAa2へ1段階格上げした直後、債券市場でこんな声が漏れた。

 ムーディーズは「投資家が安全志向を強め、国債の増発も市場は落ち着いて受け止めている。財務省も(発行する国債の年限を多様化するなど)うまく対応している」とし、金利上昇リスクが薄れていることを理由に挙げるが、市場には疑問がくすぶる。

昨年半ばからの日米長期金利の推移

 ムーディーズは昨年6月末にも日本国債の格付けを1段階上げて上から4番目のAa3にした。「(その頃より)景気は悪くなるばかりなのに、なぜ、という違和感がある」(ある大手生命保険会社の資金証券課長)。市場関係者は格上げの理屈には釈然としていない。

 変調は日本にとどまらない。ムーディーズの日本国債格付け引き上げの5日前の5月13日、英フィナンシャル・タイムズが、米政府監査院の元院長の寄稿として、米国債格付けの引き下げに言及。さらに5月21日には、米格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズが、最上位にある英国債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げるなど、主要国の国債格付けに大きな変動が起きる気配が見え始めた。

コメント3件コメント/レビュー

日本の国債が9割日本国内で買われており為替リスクがなく、外国に国債を引き受けてもらっていて為替変動でデフォルトの危険がある他国の国債とは比べ物にならないほど安全である事にまったく触れずに「裏の裏」もないものでしょ。(2009/06/01)

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「日本国債格上げの裏の裏」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本の国債が9割日本国内で買われており為替リスクがなく、外国に国債を引き受けてもらっていて為替変動でデフォルトの危険がある他国の国債とは比べ物にならないほど安全である事にまったく触れずに「裏の裏」もないものでしょ。(2009/06/01)

日本国債が格上げになった理由は、日本国債の信頼度がアップしたためではない。 米国債の信頼度がダウンしたために相対的に日本国債の信頼度が上がった。 本来であれば米国債の格付けを下げるべきだが、諸々の事情により「米国債は最も信頼されていなくてはいけない」ため格下げする事ができないから、代わりに日本国債が格上げされた。 そういう事でしょう。 格付けというのは絶対評価であるはずだが、実際には米国債をAaaとする相対評価になっている。 ただし、その相対評価も実態を表しているとは言い難い。 米国債(10年物)の利率が3.4%程度に対して日本国債は1.4%程度で推移している。 利率が高い国の国債が利率の低い国の国債よりも格付けが上なのはなぜか? 英国やドイツのように国債入札が札割れ状態の国の国債がなぜ日本より格付けが上なのか? このような疑わしい格付けの上下に一喜一憂しても仕方ないのではないか? おそらく、近いうちにまた格上げして米国債と同じAaaになるのではないだろうか(一気に実態に合わせてAaaにしてしまうと米国債の急落を印象付けるから段階を追っているだけではないでしょうか) なお、外貨建て国債の格付けが低下したと言っても、そもそも外貨建て国債は1988年以降残高0。 無いものの格付けが上がろうと下がろうと意味は無い。 単に円建てと合わせたというだけの理由でしょう。(2009/06/01)

後半はともかく前半。「なぜ格上げ?」ってどこの「市場関係者」が言ったのでしょうか。今までの格付けが不当に低いってのが市場のコンセンサスだったはずですがね。格付け会社の意味不明コメント(外債を優先して償還すると思った等)を載せないなど、ずいぶんなミスリードを狙った記事に思えます。(2009/06/01)

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