「時流超流」

ケータイ市場に3つの壁

ドコモ、ソフトバンク、派手な新製品の陰に先細り

バックナンバー

2009年6月2日(火)

1/3ページ

印刷ページ

 5月19日午前、ソフトバンクモバイルの新製品発表会が、携帯電話3社の先陣を切って東京都内で開かれた。

 「今年の夏モデルは過去最高の19機種61色を用意しました!」

 同社の孫正義社長は、1000万画素数を誇る高画質のデジタルカメラ機能を備える端末、太陽電池搭載の端末、独自の大画面液晶を備えた端末という3機種を中心にアピール。テレビCMに出演する上戸彩氏をはじめ芸能人も登場し、華やかな発表会となった。

 しかしそのうち2機種は、実はソフトバンク「だけ」の新製品というわけではなかった。わずか2時間後、同じく都内でNTTドコモが新製品の発表会を開く。孫社長が披露した高画質デジカメ携帯とほぼ同じ機能の機種が、ドコモのラインアップに並んだのだ。

台湾製スマートフォン
米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を採用した台湾製スマートフォンは市場に新風を吹き込むか

 さらに翌週の25日に開催されたKDDIの発表会。ここでもソフトバンクが出した太陽電池搭載の端末とほぼ同じ機種が発表された。

 3社が別々に開いても、出てくる携帯端末は似たり寄ったりがちらほら。

 これは、国内の携帯電話市場において異例とも言える事態。従来、多機能を売り物にしたスマートフォンなど一部の例外を除くと、ある通信事業者が新機種を発売した場合、ほかの事業者から同様の機種が出るのは半年ほど遅れてからのケースがほとんどだった。つまり「異なる事業者から同様の機種が同時期に発売されることはない」という暗黙のルールが長年にわたって続いていた。そこには、端末を区別化したい事業者や端末メーカーの自主規制があったと見られる。

端末販売は前年比30%減

 このルールが今回破られた背景には、端末メーカーの台所事情が苦しいという問題がある。各社とも2009年3月期に軒並み赤字に転落したため、通信事業者ごとに販売時期をずらす余裕がなくなったとの見方が強い。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



関連記事

Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)

Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
内容は…
この記事は…
コメント6 件(コメントを読む)
トラックバック
著者プロフィール

中島 募(なかしま・つのる)

日経ビジネス記者。



このコラムについて

時流超流

日経ビジネス “ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。

⇒ 記事一覧

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事

  • いま、歩き出す未来への道 復興ニッポン