お客さんのちょっとした苦情に対応するとき、
何に気をつけたらいいんだろう?
ポイントは3つある。
さっそくこんな、悪い例からみてほしい。
この対応、どこがいけないのだろうか?
客 「あのー、
キャンペーンのプレゼントなんですけど…」
新人 「もうしわけございません。
本日、予定数の200個、
すべて終了させていただいております」
客 「あのー、インターネットに入力して
きのう応募券が送られてきて…」
新人 「あれは、プレゼントを確約する券ではございません。
応募する権利ができるだけで、
限定200個、なくなった場合はご了承くださいと、
応募券にも書かせていただいております」
客 「そんなことは、わかってます。
読めばわかりますよ、それぐらい。
でも、まぎらわしかったですよー。ネットで、
入力項目もびっしりあって、すごくめんどうくさくて…」
新人 「そう言われましても、本日、予定数200個は
すべて終了させていただきましたので」
客 「いや、そうじゃなくて、ネットで
入力項目もびっしりあって、すごくめんどうくさくて、
やっと入力したと思ったら、
あとから限定200個って知らされたんで、
あわてて、私、岡山から、朝の新幹線で3時間
かけて出てきて、並んだんですよ、それで…」
新人 「限定200個、すべて終了となっておりますので」
客 「いや、そうじゃなくて、
限定200個っていうのは、
応募券がきてからわかるんじゃなくて、
先に書いておいてほしかったなあ、と…」
新人 「システムの都合上そうなっております」
客 「岡山から、きたのに、努力がまるまる…」
新人 「とにかく限定200個、
すべて終了させていただいておりますので、
ご了解いただけますでしょうか」
こういう新人さんの対応を見ていて、
いちばんに思うのは、
「恐いんだな」
ということだ。
「自分の応対になにかまずいことがあったらどうしよう」
「お客さんからなにか聞かれて知らないことがあったらどうしよう」
「お客さんがものすごく怒って収拾がつかなくなったらどうしよう」
経験のなさ、自信のなさからくる「恐れ」。
そのため、コミュニケーションの能力が
堅く「閉じて」しまっている。
ベテランになってくると、
経験からある程度、お客さんの反応も予測できるし、
自分の対応にも自信が出てくるので、
オープン・マインド、つまり「ひらいた」心で
お客さんと「やりとり」ができる。
先ほどの新人さんの対応は、
「やりとり」になっていない。
この新人さんには、
お客さんからの言葉は、ほとんどはいっていない。
「あなたは私の領域にはいってこないでよね。
私もあなたに思っていることは見せないから」
とばかり、相手の話を取り込むこともできず、
自分の思いや考えを出すこともできず、
ただ「限定数終了」と状況説明をくりかえすのみ、
機械と話しているような印象だ。
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文章表現・コミュニケーションインストラクター。岡山県生まれ。1984年ベネッセコーポレーション入社後、進研ゼミ小論文編集長として、高校生の考える力・書く力の育成に尽力する。2000年 独立。フリーランスとして、執筆、講演、高校・大学での授業、社会人への研修、ワークショップなどを通して、文章表現力・思考力・コミュニケーション力の 教育に取り組んでいる。著書に『話すチカラをつくる本』『伝わる・揺さぶる!文章を書く』『あなたの話はなぜ「通じない」のか』『理解という名の愛がほしい』『おとなの小論文教室。』他多数

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