• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

幻の「シボレー・モーター」構想

GM倒産で実現したドラッカーの提言

2009年6月2日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 米ゼネラル・モーターズ(GM)が1日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、倒産した。米政府のシナリオによれば、今後は「新GM」と「旧GM」へ会社分割され、新GMとして再生を図ることになる。

 新GMはシボレーやキャデラック、ビュイックなどの事業部で構成される。規模で圧倒的な存在はシボレー事業部であり、新GMは「シボレー・モーター」と呼んでもおかしくない。一方、ポンティアックやサターンなどの事業部を抱える旧GMは清算される。

 これで、GMは半世紀以上も前の提言をようやく受け入れる格好になる。米経営学者の故ピーター・ドラッカー氏の提言だ。

 ドラッカー氏は第2次世界大戦中に「GM初のコンサルタント」としてGMを内部から徹底調査し、調査終了後に同社幹部に向かって「シボレー事業部をスピンオフ(分離・独立)すべきた」と主張したのである。

 当時、GMは米自動車市場の半分を制覇し、「世界最大・最強のメーカー」だった。シボレー事業部だけでGMの半分を占めるばかりか、同事業部だけでフォード・モーターやクライスラーよりも大きかった。

独占企業にイノベーションは起きない

 独占禁止法に抵触しかねないほどの巨人だったのだ。ドラッカー氏は「これでは独占企業と変わらず、イノベーションは起きない」と見抜いていた。仮にシボレー事業部をスピンオフしていたら、どうなっていただろうか。

 すでに他界されたドラッカー氏に聞いたら、おそらく「今も競争力のあるメーカーとして生き残っている」とコメントするだろう。何しろ、4年前に他界するまで一貫して「会社分割によるGM再生」を唱えてきたのだ。

 GMが1992年に米企業として最大の赤字を計上した直後のことだ。ドラッカー氏は「成功体験を打破するには会社分割しかない。自主的に会社分割できないならば、敵対的買収の圧力にさらされるといい」と記した。

 死去する直前も同じ。筆者はカリフォルニア州クレアモントの自宅を訪ね、GMの将来について聞いた。すると、「問題は半世紀前と同じ。抜本改革しなければ経営が行き詰まる」との答えが返ってきた。なおGM分割の必要性を信じていたのだ。

ドラッカー流の新旧GMと今回の違い

 ドラッカー氏が描いていた分割案は、シボレー事業部を「シボレー・モーター」として分離したうえで、シボレー株をGMの既存株主に無償交付するスピンオフだった。シボレーが新GM、残りが旧GMになり、既存株主が新GM株と旧GM株を同時保有する形になる。日本で見られる子会社上場と違い、スピンオフでは新会社との経営・資本関係が完全に断ち切れる点に特徴がある。

 仮にスピンオフによって経営をスリム化したとしても、お荷物のポンティアックなどのブランドを引き継いだ旧GMはやはり経営不振に陥り、倒産を免れなかったかもしれない。それでも、シボレーが好調である限り、株主はすべてを失うことはなかったはずだ。シボレー株(新GM株)も持っているからだ。

コメント2

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

もっと事業を効率化して、料金を下げて、消費者に貢献しないと業界はだめになってしまう。

和田 眞治 日本瓦斯(ニチガス)社長