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GM(ガバメント・モーターズ)の衝撃

そしてフォードは「悪夢の夏」へ

  • 金田 信一郎,加藤 靖子

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2009年6月3日(水)

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 6月1日、時計の針がちょうど正午を回った時。米ニューヨークのゼネラル・モーターズ(GM)ビルの会見場に設置されたスクリーンに、カウントダウンの時計が表示された。

 1908年に創業し、20世紀の産業史に君臨した巨大自動車メーカーが、その社史に「破産」の2文字を刻む。その世紀の会見の10分前から、なぜかカウントダウンが始まる。記者の間から失笑が漏れる。そこに、GMと米自動車産業の病理が垣間見える。

資本主義に生まれた国営企業

 それまで、スクリーンではバラク・オバマ大統領の演説が中継されていた。そして、繰り返しGMが復活すると強調する。

 「多くの専門家が、そんなに早い(米クライスラーの)抜本的な破綻処理は不可能だと言った。しかし、それは間違っていた」。この日、米連邦破産法11条の適用を申請して破綻したクライスラーの再建案が、裁判所に承認された。わずか1カ月で破産法の手続きを終えて、「新生クライスラー」として再出発することが確実となったのだ。

 すべては米政府によって緻密に計算されたシナリオだった。

 債権者が少なく、比較的円滑な再建が可能なクライスラーを先に破綻させて、その復活に合わせてGMが破産法を申請する??。

 しかも、GMは米政府から約500億ドルもの資金を受け、株式の60%を握られることになる。「ガバメント・モーターズ(GM)」と揶揄されるゆえんだ。ところが、米政府は経営に乗り出すつもりはないという。

 最大株主が経営に口出ししない。

 株主資本主義を世界に広めてきた米国が、その基本原理に背くような巨大企業を生み出す。端から見れば「破滅へのカウントダウン」に映るものも、GMは「国家企業へのカウントダウン」と考えているに違いない。

 そして数字がゼロになると、待ち構えていたように、フレデリック・ヘンダーソンCEO(最高経営責任者)が現れた。「今日はGMにとって、厳しく、そして重要な1日です」。その表情には、国家の後ろ盾を得た安堵感が漂う。

破綻会見に臨むGMのフレデリック・ヘンダーソンCEO

 米政府は既に、もう1つ異例の企業体を生み出している。ビッグスリーの一角、クライスラー。同社は全米自動車労働組合(UAW)が株式の55%を保有する「労組企業」となる。

 結果としてビッグスリーは、国家、労組(従業員)、そして株主(経営者)という3つの経営主体によって、それぞれ運営される。果たして3社は、競争力を取り戻すことができるのか。

 再建の成否は、環境対応車で利益を上げられるかどうかにかかっている。3社にとって、厳しい試練であることは間違いない。しかもオバマ大統領は、既にそのハードルを設定している。

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