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なぜ医薬品のネット販売は禁止されたのか。クスリと政治と選挙の関係

2009年6月4日(木)

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 6月1日、改正薬事法が施行され、風邪薬や頭痛薬、妊娠検査薬など一般用医薬品の約7割がインターネットなどを通じて販売できなくなった。

 「なんでやねん。意味が分からない」と楽天の三木谷浩史社長が吠えれば、民主党の鈴木寛参院議員が「憲法と民主主義に対する蹂躙だ」と息巻く。ネットで医薬品の通信販売を手がけるケンコーコムはついに国を相手にした訴訟に踏み切った。厚生労働省が国民に意見を求めたパブリックコメントでは97%が規制に反対する意見だった。

 にもかかわらず、厚生労働省は「副作用等の安全性を考えると、医薬品は対面販売を原則とするべき」との見解を最後まで曲げず、ほぼ、当初の目論見通り、ネットなどでの通信販売を規制する「省令」を押し切った。

 なぜ、医薬品の通信販売は禁止されたのか。これまで、あまり語られてこなかった政治の側面から検証する。

 6月1日、改正薬事法が施行された。大きな変更点は、薬剤師でなくとも試験に合格した「登録販売者」がいれば、コンビニでも家電量販店でも一般用医薬品(大衆薬)を販売できるようになることだ。

 薬剤師不足が叫ばれる中、既存のドラッグストアチェーンなどにとっては、薬剤師に比べて安価な人件費で販売の人材を確保しやすくなる。消費不況に苦しむコンビニなどの小売業にとっては、新たな商機になる。セブンイレブンやファミリーマートは、一部店舗で登録販売者を採用し、医薬品の販売を開始した。

 登録販売者の試験は「3カ月ほどの勉強を積めば7~8割が合格する」と言われているが、1年間、薬剤師の指導の下、販売経験を積むという条件がある。薬剤師にとっては、薬局、ドラッグストアチェーンという既存市場に加えて、小売業全般に求められることになり、存在価値が高まる。

 消費者にとっても、あらゆる場所で医薬品を「ついで買い」できるようになる、嬉しい規制緩和。その一方で、医薬品の通信販売を手がける事業者だけが、商機を失った。

ロジックが破綻している「対面販売」の原則

 風邪薬や頭痛薬、妊娠検査薬など一般用医薬品の大部分を、通信販売で提供することを禁じ、原則、対面販売のみとする――。

 そんなことは改正薬事法のどこにも、書かれていない。ただし、改正薬事法の施行規則を厚生労働省が定めた「省令」に、書かれている。省令は国会での審議、採決を必要とせず、厚労省の裁量で公布することができる。

 これに、医薬品のネット販売を手がける業界団体や、楽天やヤフーといったネット企業が「ネットだからといって副作用の危険性が高まる根拠はない」などと猛反発した。

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「なぜ医薬品のネット販売は禁止されたのか。クスリと政治と選挙の関係」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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