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【隠れた世界企業】国産のバイオ薬、欧州に渡る

イーベック(札幌市・医薬品の開発)

2009年6月5日(金)

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北海道大学の教授が研究成果を基にしてバイオベンチャーを設立。国内勢で初めて新薬の開発・製造販売権を製薬世界大手に供与した。今後も新薬の種の開発に特化し、国内外の製薬会社に提供していく。

 国内のバイオベンチャーが初めて、製薬世界大手に新薬の開発と製造販売の権利を供与──。

 バイオベンチャーと言えば、2000年のヒトゲノム(人間の全遺伝情報)の解読をきっかけに注目を集め、上場した会社は人気銘柄として一時、東京証券取引所マザーズなどの新興市場を牽引した。しかし、上場組の大半は一向に黒字転換せず、新薬の発売にも至らない。そのため、新興市場全体が冷え込む前に“主役”の座を降りた。

今年4月に新設した研究所で所員に囲まれるイーベックの土井尚人社長(前列左)と高田賢蔵会長(同右) (写真:中 優樹)

 意気消沈していたバイオ関係者にとって久々の明るい話題となったのが、冒頭のニュースだ。昨年9月末に世界大手とライセンス供与の契約を結んだのは、新薬のシーズ(種)の開発に特化するイーベック(札幌市)。北海道大学遺伝子病制御研究所の高田賢蔵教授(現在は同社会長を兼務)が私財を投じて、2003年に設立した。

契約に伴う収入は約70億円

 契約の相手は、独ベーリンガーインゲルハイム。2007年の医薬品売上高は世界第15位で、国内最大手の武田薬品工業(同17位)を上回る。これほどの大物がなぜ、バイオ後進国のベンチャーに目をつけたのか。

 「医薬品の製法の独自性が高く評価された」。今も北大の教授として研究を続ける高田会長は胸を張る。

 イーベックが開発しているのは、「抗体医薬」と呼ばれるバイオ医薬品だ。抗体とは、動物の体内に細菌などの異物(抗原)が侵入した時に血中にある白血球で生成されるたんぱく質。抗原と結合して、抗原の作用を失わせるといった様々な働きをする。抗体医薬は基本的に、この免疫反応を利用して、特定の抗原に起因する病気を治療する。これまで主流を占めてきた化学合成によって作る薬とは、製法や治療のメカニズムが大きく異なる。

 特定の抗原だけに結合するので、効き目が高く、副作用が少ないと言われる。既に欧米の製薬会社が、抗ガン剤などの用途で製品化した抗体医薬を販売している。その中には、年間の売り上げが10億~40億ドル(約1000億~4000億円)に達するものもある。

 イーベックが開発している抗体医薬のシーズはすべて、高田会長が大学での研究を通して開発した製法によって作られている。マウスなどの細胞で作製した抗体を遺伝子組み換え技術で人の抗体に似た形に変える一般的な方法とは異なり、「EBウイルス」というヘルペスウイルスの一種を利用して、人の細胞から抗体を作るのが特徴だ。

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「【隠れた世界企業】国産のバイオ薬、欧州に渡る」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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