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【隠れた世界企業】NASAも納得の品質保証

ユタカ(松山市・金属の精密加工)

  • 佐藤 嘉彦

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2009年6月26日(金)

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外注頼みだった工場が宇宙ステーション向け部品を作るまでになった。「どんな注文も断らない」ことで磨いた技術と品質で勝負する。常に新規開拓にこだわる攻めの姿勢で受注減という逆風に挑む。

 四国の空の玄関口・松山空港。その目と鼻の先に、白い外壁に黄色い庇、紫色のシャッターという個性的な外観の建物が並んでいる。

 実はこの建物、金属加工を手がけるユタカの工場。そしてこの中から、米航空宇宙局(NASA)の宇宙ステーションの部品やH2Aロケットのエンジン部品など、最先端技術を支える部品が生み出されている。

 ユタカの取引先は自動車部品、半導体製造装置、食品製造装置、医療機器などの幅広い分野のメーカーだ。作る部品も半導体製造装置の搬送用アーム、ガン検査機器の部品など多岐にわたる。F1のエンジンのピストンやシリンダーなども手がけた。

 汎用機やNC(数値制御)旋盤、5軸加工機、研削盤、ワイヤ・放電加工機。金属加工に必要な設備を80台以上取り揃え、全工程の一貫加工をする。中でもチタンやニッケルをベースとした合金「インコネル」など、硬くて加工しにくい難削材の切削には定評がある。

 ユタカの売りは加工技術だけではない。品質保証にも力を入れる。

 ユタカは1990年代から半導体製造装置関連の仕事を始めた。当初は小さな打痕傷があるだけで「埃が入るから」と不良品扱いされることに戸惑った。マイクロメートル(マイクロは100万分の1)単位の精度を要求されるため、得意だった切削だけでなく、研磨に力を入れるようになった。二神久三社長は「品質面で叩かれ続けたことが、結果的にほかの業界の取引先を開拓する際に武器になった」と振り返る。

検査機器に2億円も投資

 品質の重要性に気づいたユタカは、90年代後半から3次元測定器などの検査機器の導入を始めた。当時はIT(情報技術)バブル期で半導体製造装置関連の受注が好調。その稼ぎを、それ自身では利益を生まない品質保証部門の拡充につぎ込んだ。その総額は2億円に達し、今では3次元測定機は6台に。2005年には品質管理の国際規格「ISO9001」も取得した。

 これが結果的にライバルとの差別化につながった。ユタカ自身が検査成績書をつけて出すので、取引先はいちいち検品する必要がない。取引先自身もISO9001を取得するようになり、それに準拠した不良対策書を書けない下請けには発注しないというケースも出てきている。実際に、対応できない家族経営の町工場から仕事が移ってきたケースもあるという。

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