「ニュースを斬る」

セブンイレブン、「見切り販売制限」の深層

バックナンバー

2009年6月26日(金)

1/4ページ

印刷ページ

「見切り問題」に揺れるセブンイレブン(本文とは関係ありません)

 「定価販売」の御旗のもと、高収益体質を維持し、グループの約75%の営業利益を稼ぎ出していた孝行息子のセブン-イレブン。その、根幹を揺るがす今回の措置に、流通の王者、セブン&アイが揺れている。

 弁当などを販売期限前に値下げして売る「見切り販売」を不当に制限していたとして、コンビニエンスストアチェーン最大手、セブン-イレブン・ジャパンは6月22日、公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令を受けた。

 これを受けてセブン-イレブンは翌23日、食品廃棄で加盟店に生じる損失(仕入れ原価)の15%を負担することを決めた。だが、見切り販売に対しては、「過当競争をもたらし、結果として加盟店の利益を奪う」とし、反対の姿勢を変えていない。一部加盟店オーナーは「場当たり的な施策でコメントをするに値しない」と吐き捨て、見切り販売の継続を貫くとした。

 「本部は利益を持って行きすぎだ」「見切り販売をすれば消費者も喜び、ゴミを減らすこともできる。何が悪い」

 今回の公取委からの排除命令を機に、見切り販売を強行する全国のオーナーの怒れる声が、一斉にメディアを通じて吹き出した。右に倣えの“護送船団報道”は、「セブン-イレブン本社は利益優先主義」という印象を国民に十分に植え付けた。

 しかし、この問題は根が深く、複雑である。「セブンイレブンは安売りを許していない」と一概に断じることもできない。

「簡単に値下げできると」と、あるオーナー

 東京都内の、あるセブンイレブン。立地は最寄り駅から1kmほど離れた住宅街。駅からの導線上に、別のセブンイレブンがあり、近隣には「100円均一ショップ」があるなど、条件は悪い。

 一見、普通のセブンイレブンだが、飲料類の冷蔵ケースのガラスに派手なポップが張ってある。「この枠内、全品100円!」――。

 普通のコンビニでは120円で販売している十数種類のジュースが、ここでは100円で販売されていた。セブンイレブンに携わって15年、2店舗を見ているオーナーは言う。

 「100円で売ろうと思えば簡単に売れるよ。自分が身銭を切ればいいだけだから。本部の担当者からだって、何にも言われていない」

 さらに、こう証言する。

 「本部とのフランチャイズ契約書にも『価格決定権は店舗にある』と書いてあるし、棚の入れ替えなんかのタイミングで見切り販売は、よくやっている。しかも、値下げした分の一定割合は、本部が自動的に負担してくれることになっているから助かるよ」

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。


関連記事

Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
内容は…
この記事は…
コメント60 件(コメントを読む)
トラックバック


このコラムについて

ニュースを斬る

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、NBonline編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。

⇒ 記事一覧

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事

  • いま、歩き出す未来への道 復興ニッポン

日経ビジネスからのご案内