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【技術フロンティア】 排泄物で省エネ発電

東京都下水道局、東京電力、Jパワー、メタウォーター~下水汚泥の有効活用法

2009年6月29日(月)

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人間が毎日生み出す排泄物が、貴重なエネルギー源として注目を集める。下水汚泥を蒸し焼きにして炭化燃料を生産し、石炭火力発電所で燃やす。CO2排出の抑制だけでなく、下水処理コストの削減というメリットもある。

 「店中の尻で大家は餅をつき」

 これは江戸時代、長屋の大家を揶揄した川柳だ。店子が尻から出した排泄物を、江戸近郊の農家に肥料として売り、正月の餅代を稼いでいたからだ。30人が住む長屋の大家なら、年末に2両ほどの臨時収入があったと記録されている。ちなみに当時の大工の月収が2両程度と言われる。江戸時代、庶民の排泄物は貴重な財産として取引され、有効利用されていた。

 時は下って21世紀。同じ江戸、東京で再び排泄物が注目を集めている。排泄物を含む下水汚泥が、技術進歩により燃料として再利用できるようになったためだ。手がけるのは、長屋の大家に代わって、東京都下水道局。排出するCO2(二酸化炭素)を減らせるうえ、下水処理にかかるコスト削減にもつながると期待されている。

汚泥を蒸し焼きにして炭化

 東京都下水道局砂町水再生センターの石川次男氏は、うれしい悲鳴を上げる。「昨年は1000人以上が見学に訪れた。地方自治体の担当者だけでなく、韓国など海外からの視察も多い」。

 砂町水再生センターは東京湾の荒川河口にある、一見普通の下水処理場だ。家庭や工場が排出した下水から汚れや泥を取り除き、水を浄化して海に流している。それがなぜ、ここまで人を集めるのか。秘密はセンター内にある東部スラッジプラントに隠されている。

画像のクリックで拡大表示

 このプラントでは水を搾った「かす」として残る下水汚泥を加工し、炭化燃料を生産している。生産した炭化燃料は火力発電所へ運ばれ、石炭と混ぜて燃やされる。炭化燃料だけで2000世帯分の電力を賄えるという。従来は焼却処分して埋め立てていた汚泥が、燃料として生まれ変わるわけだ。

 炭化燃料を作る過程は大きく2つに分けられる。下水処理場から出る汚泥は「脱水汚泥」と呼ばれ、80%近くは水分で占められている。そこでまず汚泥を乾燥機に入れ、約850度の熱風で乾燥させる。すると、含水率が半分程度になった「乾燥汚泥」が出来上がる。

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「【技術フロンティア】 排泄物で省エネ発電」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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