時計の針が6月26日の午前0時を回る頃、東京・表参道にあるイベントスペースは、異様な熱気に包まれていた。
参加者は約400人。皆、米アップルの新型スマートフォン(多機能携帯電話)、「iPhone(アイフォーン) 3G S」の購入希望者で、前日夜から、わざわざ並んだ猛者たちだ。
「…3、2、1、ゼロー!」。カウントダウンとともに、キャノン砲からシルバーのテープがまき散らされ、壇上に立つソフトバンクの孫正義社長が、手にするiPhone 3G Sを高々と掲げた。
「本当はアップルの皆さんから、『お土産をあげてはいけない』と言われていたんだけれども、まぁ、この際いいじゃないか、ということで! ぜひ、記念にもらってください」
会場から拍手と歓声がわき、「お父さん犬」のストラップなどが配られる。そして、孫社長は言う。
「でも、一番のプレゼントは3G Sですよね。この感動をくれたスティーブ・ジョブズ(アップルCEO=最高経営責任者)、そのほかの皆さんに感謝をしたい。我々がこの時代に生まれた、この瞬間にいることに、感謝をしたい」
上戸彩さんを引き連れ、SMAP起用も発表
欧米8カ国に遅れること1週間、日本でもiPhone 3G Sが発売された。既に欧米での発売後3日で100万台を突破するなど、“初速”は従来機種のiPhone 3G並みで、好調なスタートを切っている。
パソコンを買い替えると、古いパソコンには触りたくなくなるように、新型iPhoneも、孫社長曰く「従来のiPhoneユーザーが買い替えれば戻れなくなる」くらいの快適なスピードを備えた。ビデオの撮影・編集や方位を把握できる「デジタルコンパス」といった新機能も搭載された。
とは言いつつ、前回に比べれば地味なバージョンアップ(「“地味”な新型iPhoneが示したアップルのすごさ」を参照)。世界各地の行列も、前回より少ない。
日本でも、26日朝7時の発売を前に、ソフトバンクモバイルの旗艦店である東京・表参道店に並んだのは、約200人程度。18日から予約整理券を配るなどの施策を取ったことも影響しているが、それにしても1000人以上が並んだ前回と比べると、おとなしい。
ただ、「iPhoneの良さを伝えよう、iPhoneを盛り上げよう」という孫社長の気持ちは、明らかに前回より昂ぶっていた。
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