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“3代目”麻生がぶち壊した吉田茂の戦後政治

御厨貴・東京大学教授が、総選挙と「その後」を展望する

2009年7月3日(金)

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 衆院解散の足音がひたひたと近づいてきた。麻生太郎総理は8月上旬の投開票を示唆。その通りに事が進めば、東京都議選後の解散が有力だ。もっとも、麻生総理に伝家の宝刀が抜けるのか――。懐疑的な見方も永田町では囁かれる。

 激化し始めた麻生降ろし。総裁選を実施、新しい選挙の顔を立てて選挙を戦うという選択肢も当然あり得る。8月2日、もしくは9月6日。現在、指摘されている投開票日は8月2日か9月6日。いずれにせよ、1~2カ月の間に、解散総選挙が訪れる。

 目前に迫る解散総選挙。麻生政権とは何だったのか、今回の総選挙はどういう意味を持つのか、総選挙後の政界はどのような光景になっているのか――。少し気が早いが、現代日本政治に詳しい東京大学の御厨貴教授に話を聞いた。

(聞き手は日経ビジネス オンライン、篠原匡)


 ―― 今度の総選挙では、政権交代が1つの焦点になります。その点について、どのようにお考えでしょうか。

 御厨 要するに、政権交代が今回の総選挙のメルクマール(指標)になるかどうかということだよね。それはどうかと言うと…、まあ、なるんですよ(笑)。

 その理由は非常にはっきりしています。安倍政権の時に、衆参のねじれ現象が生じました。そのねじれを解消するには、衆院を解散して民意を問うほかになかった。

「解散圧力がトラウマになって1年が過ぎた政権」

御厨 貴(みくりや・たかし)氏
1951年東京都生まれ。75年東京大学法学部卒業、東京都立大学(現首都大学東京)法学部教授、政策研究大学院大学教授を経て、2002年に東京大学先端科学技術研究センター教授に。政治家や官僚の「オーラルヒストリー」を主要な研究テーマとする (写真:村田和聡、以下同)

 御厨 ところが、「自民党がサボっていた」と言ったら悪いけれども、安倍政権では解散ができず、福田政権でもできなかった。さらに、衆院を解散するために総理大臣になった麻生総理が解散をしないという恐るべき事態になり、そのまま9カ月以上が過ぎてしまった。

 ―― 確かに、選挙の顔として党総裁に選ばれたわけですからね。

 御厨 にもかかわらず、麻生さんという人は解散せずにあがき続けた。はっきり言えば、衆参のねじれによって、日本の政治は止まっているんですよ。野党も参議院ではいろいろとできるけれども、衆議院では負けていますからね。この何もできないという状況の中で、ここまできてしまった。

 麻生政権は自民党が総選挙で勝てるタマとして、総裁選のためだけに選んだ政権でした。彼で勝てると踏んだからみんな麻生さんを認めたんだよ。なのに、解散をしなかった。「明日は支持率が上がるだろう」「明日は上がるだろう」という具合に、支持率上昇が麻生総理の唯一の願いだった。

 だけど、上がらなかったよね。結局、麻生さんは解散をせずに1年間あがいたけれども、実際にしたことは補正予算のバラマキぐらい。麻生政権は何だったのかと言えば、「解散圧力がトラウマになって1年が過ぎた政権」ということになりますね。

 ―― 西松建設の違法献金事件の後は支持率が上向いたんですけどね。

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「“3代目”麻生がぶち壊した吉田茂の戦後政治」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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