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M&Aに中国独禁法の壁

過剰気味の親心、外国勢ピリピリ

  • 小瀧 麻理子

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2009年7月8日(水)

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 「思っていたより深刻。最近は、日本企業同士の経営統合であっても、とにかく早く、中国向けの輸出や生産状況を把握するよう助言している」

 ある法律事務所のM&A(合併・買収)担当の弁護士は眉をひそめる。

 2008年8月の中国初の独占禁止法施行から約11カ月。中国当局が次々と話題の国際M&A案件に介入する中、内外の関係者の注目を集めた案件があった。三菱レイヨンによる英ルーサイト・インターナショナルの買収だ。

「新規投資」を禁止

 三菱レイヨンは昨年11月、10年越しの意中の相手だったルーサイトを約16億ドル(約1600億円)で買収すると発表。ルーサイトは液晶や自動車の部品に使うアクリル樹脂原料、メタクリル酸メチル(MMA)モノマーの世界最大手で、同4位の三菱レイヨンはシェア35%を握るトップに躍り出る。今年1月にも全株を取得し、満を持して具体的な統合作業に取りかかるはずだった。

 だが、世界中の独禁当局の中で唯一、待ったをかけたのが中国だった。両者が中国内にそれぞれ工場を持ち、買収によりMMAモノマーの中国市場でのシェアが64%になることを問題視した。長い審査の後、結局4月末には買収を了承したが、関係者が絶句したのは、そこにつけ加えられた条件だ。

中国の独占禁止法を巡る最近の主な出来事

 当局は、三菱レイヨンに今後5年間はMMAモノマー事業の買収や新工場の建設をしないよう要求。さらに、ルーサイトの生産能力の半分を利益を付加しない原価で販売することや、三菱レイヨンとルーサイトが中国事業をそのまま別会社とするよう求めた。中国企業から政府への陳情もあった模様。三菱レイヨン関係者は「買収そのものが不承認にされる恐れもあった」と振り返る。健全な競争環境を守るという独禁法の目的よりも、中国企業を保護する意図が強いという印象を与えた。

 西村あさひ法律事務所の中山龍太郎弁護士は「将来の事業拡大まで制限するのは世界の独禁法の運用でも異例。過剰な保護にならないか」と指摘する。ある総合化学の法務担当者は「MMAモノマーという限られた市場での、しかも英国企業の買収なのに、中国は本当に細かいところまで目を光らせている」と警戒する。

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