(前回から読む)
梅雨明けと夏本番のはざまの7月。人もコンパニオン・アニマルも、食欲が乱れがちな時期である。今回は「食」について考えてみたい。
ヨークシャー・テリアのピピとの生活で、絆が強まるにつけ「1日でも長く、この子と一緒にいたい」「最後のその時まで、健康でいてほしい」と願うようになる。そう思うと、急に様々な情報が気になり始める。健康に良いと知ったフード、おやつなども、いろいろと試してみたくなる。しかし調べ始めてみると誰もが、ドッグフードやキャットフードの種類の多さに圧倒され、選択の迷路に踏み込んでしまう。
「人の残したご飯に味噌汁をかけて食べさせる」という食事は、今となっては、はるか昔のことだ。
インターネットを駆使すれば海外情報も容易に手に入り、平行輸入で“最高のドッグフード、キャットフード”を取り寄せることもできる。第5話「ペットに10万かける女たち」で紹介したオーナーたちほどではないにせよ、自分の食事は手抜きしても、コンパニオン・アニマルには少しでも健康によいものを与えたいと思うオーナーは、私だけではないのでは?
今日、犬用も猫用も、数えきれないほどのドライフードやウェットフードが販売されている。動物用のサプリメントもある。およそ人間用のサプリメントのほとんどはペット用にもある、と言っていい。

フードにオーガニック素材を使うのは自然な流れであり、さらに高級食材による手作りやオーダーメード手作りフードのデリバリー、ローフード(生肉など)など、情報は溢れかえっている。心あるオーナーであればあるほど慎重にもなり、どれを選ぶべきか迷いも深刻である。
その一方で近年、アレルギーを持つ犬・猫が増えているという。フードの素材や製造方法は、コンパニオン・アニマルのQOL(生活の質)に関わってくるのだろう。
人間だけでなく、コンパニオン・アニマルの世界でも、食の安全が重視され、フードで悩むオーナーが増えていることを受け、今年6月1日「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」が施行された。
その背景には、2007年米国で、中国産の原材料に有害物質(メラミン)が混入したフードが原因で、多数の犬や猫が死亡したことがあり、農林水産省と環境省が合同で研究会を設置し、この法律が生まれた。
やっとできた、ペットフード安全法
ペットフード安全法により、国が定めた基準や規定に合わないフードの輸入、製造、販売を禁止することができ、2010年12月以降に販売される犬・猫用ペットフードには、名称、原材料、賞味期限、製造業者等の名称または住所、原産国名の表記が義務づけられる。
違反した法人には最高1億円の罰金、法人代表者には懲役1年以下、罰金100万円以下が科せられるという。この法律の概要について、『愛犬の友』2009年7月号から抜粋すると、次のようになる。
| (1) | ペットフードの基準、規格の設定 |
| (2) | 有害な物質を含むペットフードの輸入、製造、販売の禁止(平成21年12月より) |
| (3) | 有害な物質などが混入したペットフードが流通するなどした場合の廃棄、回収などの必要な措置の命令 |
| (4) | 輸入業者、製造業者の届出の義務づけ |
| (5) | 輸入、製造、販売の記録を残すため、帳簿の備えつけの義務づけ |
| (6) | 問題が起きた場合などにペットフード清掃業者などからの報告徴収、立入検査など |
私はこの内容を知り、「むしろこれまで、そのようなことがなされていなかったのか」という驚きを持った。
長年のフード研究、販売を通じ、健やかな犬の生活をサポートしている「DOG WISH」代表の栗原隆裕さんによると、このような法律だけでは、まだまだ安心してフードを購入できないと言う。そこで栗原さんに、安心できるフード選びのコツを尋ねると、明確な回答が返ってきた。
「メーカーもそうですが、売る側の責任として小売店が自ら、第3者機関に分析試験成績書を依頼し証明書として公表している製品があります。こういったフードなら、安心です」と栗原さんは言う。
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