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なぜ官僚たちは「脱官僚」を歓迎するのか

「政治主導」と快哉を叫ぶ霞が関の不思議

2009年7月8日(水)

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 衆院解散総選挙の足音が刻一刻と近づいています。麻生太郎総理は8月上旬の衆院選投開票を示唆。思惑通りに事が進めば、7月上旬の解散が現実味を帯びてきます。もちろん、解散時期は総理の腹ひとつ。誰にも先は読めませんが、来るべき真夏の決戦を前に、永田町の議員は臨戦態勢に入りました。

 今回の総選挙は政権交代の可能性を秘めています。政治の枠組みだけでなく、国民生活、さらには国のあり方までもが変わるかもしれません。自民党が政権を維持するにせよ、民主党が政権を奪取するにせよ、歴史的な選挙になることは必至でしょう。

 もっとも、どちらが政権を執っても、私たちが抱える課題は同じかもしれません。我々にとって本当に重要なのは、次の政権で私たちの生活がどうなるのか。そして、この国の何が変わり、変わらないのか――ということに尽きます。その疑問に答えるべく、取材を始めています。

 その中身は近日中に「日経ビジネス」で掲載する予定ですが、永田町や霞が関を徘徊している記者たちが拾った小ネタや雑感をこのコラムで先に更新していきます。

 「編集後記」ならぬ「編集前記」です。目下進行中の企画の詳細を書くわけにはいきませんが、本誌で書ききれない話や選挙前の雰囲気などを伝えていくつもりです。普段の日経ビジネス、日経ビジネスオンラインの記事とは違い、担当者たちはこのコラムはネクタイを緩めて書きます。皆様もそんな気分で読んでいただければ幸いです。なにとぞご容赦を――。


 7月5日に勝敗が明らかになった静岡県知事選挙。次の衆院選挙の前哨戦と位置づけられていましたが、民主党、社民党、国民新党が推薦した無所属の川勝平太氏が当選しました。自民党と公明党が推した前参院議員の坂本由紀子氏との票数は1万5000票と、かなりの接戦でした。

 もっとも、表面上は接戦でしたが、民主党サイドは無所属で出馬した海野徹氏と川勝氏の一本化に失敗しており、海野氏が獲得した約33万票を考えれば、100万票を超えていた可能性もありました。何より、投票率が61%と前回を16ポイントも上回る中、保守王国と言われた静岡県で民主党支持者が勝った――。その事実に、民主党に対する追い風を強く感じました。

陰に陽に政治家を動かしてきた

 読者の皆さん、こんにちは。今回もシノハラが担当させていただきます。潜伏している特集班の記者は私を含めて3人いるのですが、なかなかほかの2人が書いてくれません。このままだと、全部私が書くことになりそうです・・・。

 さて、今日は民主党が主張している政治主導と霞が関の関係について少しお話をしましょう。民主党は官僚主導を打破し、政治主導の体制を築く、と盛んに主張しています。確かに、これまでの日本は「政治主導」という言葉とは懸け離れていました。

 例えば、予算編成がそう。例年の場合だと、8月末頃に財務省が各省庁に来年度の予算方針である概算要求基準(シーリング)を提示。それを受けて、各省庁は必要な予算を財務省に示し、主計局が予算の原案をとりまとめる、という流れを取ります。

 ただ、来年度予算を財務省に示す前に、各省庁は自民党の部会と事前調整を済ませていたケースが少なくなかった、と聞く。つまり、年度末の予算案とは、部会と各省庁で合意したプロジェクトを下から積み上げて集めたもの、ということになりますね。

 ついでに言うと、最近でこそ、アドリブで話せる大臣も増えているようですが、大臣答弁を作成しているのも官僚です。官僚が陰に陽に振りつけて政治家や予算を動かしてきたということでしょう。

 この構造に本質的な問題がある、と見ているのが民主党です。英国をモデルに、各省庁に政治家を送り込み、政治家が予算の大枠を決めるトップダウン型の政権運営を目指しています。このあたりの話は近いうちに日経ビジネスで詳しく書きますので、ご関心がある方はそちらをお読み下さい(新規構読はこちら)。

なぜ官僚たちが「脱官僚」を望むのか

 この民主党が進めようとしている「政治主導」。官僚にとってはさぞかし迷惑な話だろう、と思っていたのですが、現場の官僚に聞いてみると(・・・と言っても数人ですが)、「ぜひやってほしい」と歓迎の声が上がっていました。これはとても意外でした。

コメント7件コメント/レビュー

官僚は優秀であり、勤勉である。だからこれまでの日本があったことに異論がない。その上で下の人に絵空事を述べさせていただく。一般国民の方からの問い合わせ、マスコミ取材、パブリックコメント、情報公開等への対応など官僚の仕事ではない。予算関係資料等の作成やそれらに関する関係団体との調整も必要ない。「残りの」仕事である政省令、通知、各種基準の作成と、通達、その徹底こそが重要である。官僚は真に日本のためになることを調べ、それをルールとして作り、徹底させればよい。その力が近年不足しているように思う。その理由は下にかかれていたとおり、「ムダな」仕事で、日本の形が見えず、頭が回っていないのではないか?「忙しい」を自慢するようになったらおしまいである。官僚の自慢は「いい日本を作った」であって欲しい。(2009/07/10)

「総選挙前夜、記者潜伏中」のバックナンバー

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「なぜ官僚たちは「脱官僚」を歓迎するのか」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

官僚は優秀であり、勤勉である。だからこれまでの日本があったことに異論がない。その上で下の人に絵空事を述べさせていただく。一般国民の方からの問い合わせ、マスコミ取材、パブリックコメント、情報公開等への対応など官僚の仕事ではない。予算関係資料等の作成やそれらに関する関係団体との調整も必要ない。「残りの」仕事である政省令、通知、各種基準の作成と、通達、その徹底こそが重要である。官僚は真に日本のためになることを調べ、それをルールとして作り、徹底させればよい。その力が近年不足しているように思う。その理由は下にかかれていたとおり、「ムダな」仕事で、日本の形が見えず、頭が回っていないのではないか?「忙しい」を自慢するようになったらおしまいである。官僚の自慢は「いい日本を作った」であって欲しい。(2009/07/10)

記者自身に苦言を―特別班の他の二人は書かない---仕方なく私が書く。こういうことは言わないで”天職”くらいに有難く思って書き給え。価値は読む人が決める。主題の官僚についてだが、彼等を職業職種で言うと「公務員」と分別し、国家公務員(高級官僚)から4級職(下級官僚)まで差別格差や上方指向につれての諸事優遇も歴然。これではいい若者が官僚志望に走るのも無理はない。志望成就の上は次は俺の番とばかり官僚の梯子登りと天下りの踏襲では「公務員」改め「サービス業」にすべきかと。立法府にある政治家は自ら立法という政治家本来の仕事をし、胸を張って成立した法律は全て議員立法だと言って欲しい。官僚は立法府、行政府、司法三権夫々を司る税の執行者たるサービスに徹し、サポータ本来の仕事を遂行して欲しい。その上で政治家が官僚、役人が動かない、動いてくれないと言うのはサボタージュの理論だ。政治家の役割と責任は重且つ大なるを認識すべし。(2009/07/09)

霞ヶ関の外にいる者にとっては今回の記事は内部事情の一端を伺うという意味で面白い。と思ったらしっかり霞ヶ関の住人の反論コメントがでている。記事がなければ住人のコメントも出てこないと思えば、記者さんのお手柄である。記者さんには今後も期待しております。それにしても、もう二人のご協力が得られないのは残念ですね。(2009/07/09)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長