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第25話 非世襲議員の地盤作り

  • 出井 康博

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2009年7月10日(金)

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 国会議員の世襲制限が話題となっている。民主党は6月、現職議員が引退する選挙区で、配偶者や3親等以内の親族が立候補しようとしても公認しないことを決めた。自民党も同様の制限を検討していたが、次期総選挙での導入は見送った。

 世襲候補は、先代が築いた「地盤」を引き継ぐことができる。地盤とは支援者のネットワークである。選挙の際には、周囲に投票を呼びかけたり、ポスターを貼り出す作業を手伝ったりして候補者を支える。地盤の強弱は、選挙結果に大きく影響する。

 もちろん、例外の選挙もある。例えば、小泉純一郎元首相による前回の「郵政選挙」では、地盤を吹き飛ばすほどの“風”が吹いた。その結果、地盤などまるで持たない小泉チルドレンが数多く国政へと進出した。だからといって、候補者としては毎回、風を期待するわけにもいかない。

 民主党から次期衆院選に出馬する新人候補・Bの選挙区では、これまで同党候補が与党現職に惨敗を続けている。前回の郵政選挙でも、ダブルスコアに近い完敗だった。当選には、少なくとも4万票ほどの上積みが必要だ。

空中戦と地上戦

 概して民主党の若手候補は、街頭に立って名前や顔を売る「空中戦」は得意でも、個別に支援者を開拓する「地上戦」は苦手とされている。だが、Bは人手と時間をかけて地上戦を挑んできた。

 ただし、党が地上戦のノウハウを伝授してくれるわけでもない。選挙区の自治体にも、援軍となる民主党所属の県議や市議は数えるほどしかいない。そんな中、どうやって支援者拡大に努めてきたのか。Bの地盤作りに大きな役割を果たしてきた後援会幹部に密着した。

 平日の午前11時、2人の熟年男性が車に同乗して支援者回りを続けていた。ハンドルを握るHは、Bの叔父である。

 H:「Iさん、今度は後援会でゴルフコンペでもやりましょうか?」
 I:「いいねえ、ぜひ」

支援者と軒先で話すH (撮影:筆者)
画像のクリックで拡大表示

 Bの後援会長を務めるIが答える。たばこに火をつけ、リラックスした会話が続く。服装も、2人とも今からゴルフに行けそうな普段着だ。

 Hは最近、長年勤めた企業を定年退職した。パート勤めを続けながら、週4日は後援会活動の中心を担っている。Hよりも少し年上のIは、地元で長年、商売を営んできた。週1日の休みのほかにも、仕事の合間を縫って活動を続ける。2人とも全くのボランティアである。Iが言う。

 「B君から立候補の相談があった時には、取りあえず県議にでも出ろって言ったんだ。しかし、どうしても本人が国政だって言うもんだから、仕方ないよね」

「過半数が自民党の支持者です」

 Bとは以前から家族ぐるみのつき合いがある。Bは立候補を決めると、すぐにIに後援会長を依頼した。

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