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期待先行“リバウンド”が怖い民主党

山口二郎・北海道大学教授が語る「2大政党制の意義」

2009年7月9日(木)

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 民主党推薦候補の勝利に終わった静岡県知事選。勝利に沸く民主党と追い詰められる自民党のコントラストは一層鮮明になってきた。次の焦点は東京都議選だが、衆院解散の足音は確実に迫っている。

 目前に迫る解散総選挙。麻生政権とは何だったのか、今回の総選挙はどういう意味を持つのか、総選挙後の政界はどのような光景になっているのか――。前回の東京大学の御厨貴教授に続いて、今回は、北海道大学の山口二郎教授に、2大政党制の意義を聞いた。

(聞き手は日経ビジネス、蛯谷 敏)


 ―― 今回衆院選は、ある意味で初の2大政党による選挙になりますが、その意義は何なのでしょうか。

山口 二郎(やまぐち・じろう)氏
1958年岡山市生まれ。東京大学法学部卒業。現在、北海道大学法学部教授。専攻は行政学・政治学。小沢一郎体制での民主党への政権交代を支持したことでも有名。今年3月に『政権交代論』(岩波新書)を上梓
(写真:村田 和聡、以下同)
画像のクリックで拡大表示

 山口 結局、60年も1つの政党がずっと権力の座にいるというのは不健全なことなんですよ、それ自体がね。今年3月に出版した『政権交代論』という本の中でも書きましたが、自発的結社としての政党と国家機関とのけじめがなくなるんですよね。

 西松建設の事件で小沢(一郎)氏が天の声を出したといって、自民党がいろいろ言っているけど、あんなのはちゃんちゃらおかしいわけですよ。

 彼ら自身、今まで何をやってきたのか、知らないはずはない。小沢氏だけああいうふうにして問題にするなんていうのはバカげているわけで、その何十倍のことをずっと自民党はやってきたわけですね。

 つまり、社会の側のボランタリーな結社としての政党というのが、何十年も権力の座にいれば、デファクトスタンダード(事実上の標準)のガバメントになってしまうんですね。

 だから、何か政府から利益を得ようと思えば、自民党というものを通さなければ、何もできないという構図が出来上がる。それが自民党の長期政権を支えてきたという面はあるわけです。

小沢氏批判は天に唾するようなもの

 ―― それは政官業の癒着というものですね。

 山口 だから、自民党が小沢氏を批判するのは、天に向かって唾するみたいなものですよ。その構造をやめたかったら、自分らがまず下野するのが一番手っ取り早いわけですね。

 警察や検察、あなた方メディアにしたって、自民党が常に権力を持っていると思えば、やっぱり自民党の顔色をうかがうわけですね。どの政党が次に政権を取るか分からないという状況になってこそ、初めてメディアも警察も検察も政治的に中立になれるんですよ。

 ―― 官僚も同じですか。

コメント24件コメント/レビュー

民主党政権に変わることを望んでいるのはマスメディアであって、国民の最大の情報源を使って煽っているようにしか見えない。確かに政権が変わるということは閉塞感からの脱却を秘めているのかもしれないが、変化によってどう国の将来が変わるのか自民・民主の政策の長所短所を平等に比較し、あなたはどちらを選びますか。という判断材料を発信することが大事ではないだろうか。特にテレビや新聞には大きくその点が欠けているように思う。多くの国民には何となく政権交代させてみたいという雰囲気だけが蔓延しており、日本にとって最重要なことは何か良くわかっていない。しっかり吟味してみれば手放しで民主党政権になることを喜んではいられないと思う。デメリットを踏まえても民主党政権が日本の国益になると考えている有権者は果たしてどれだけいるだろうか。それが非常に怖いように思う。(2009/07/11)

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「期待先行“リバウンド”が怖い民主党」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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民主党政権に変わることを望んでいるのはマスメディアであって、国民の最大の情報源を使って煽っているようにしか見えない。確かに政権が変わるということは閉塞感からの脱却を秘めているのかもしれないが、変化によってどう国の将来が変わるのか自民・民主の政策の長所短所を平等に比較し、あなたはどちらを選びますか。という判断材料を発信することが大事ではないだろうか。特にテレビや新聞には大きくその点が欠けているように思う。多くの国民には何となく政権交代させてみたいという雰囲気だけが蔓延しており、日本にとって最重要なことは何か良くわかっていない。しっかり吟味してみれば手放しで民主党政権になることを喜んではいられないと思う。デメリットを踏まえても民主党政権が日本の国益になると考えている有権者は果たしてどれだけいるだろうか。それが非常に怖いように思う。(2009/07/11)

最近気になる民主党批判の文脈として、「どうも政権交代、それ自身が目的になっているフシがあるわけですよ」(3p)みたいのがある。だがしかし、ぶっちゃけ国民自身がそれを目的にしてるのでは。今まで、小泉時代までなら「政権交代」は消極的に支持するか、しないかという話だったように思う。「小泉でもいいけど、民主もまぁ捨てがたいなぁ」という。しかし、現政権になってからというもの、とうとう皆しびれを切らして積極的に「もうお前ら、何もしなくいいよ、顔も見たくないから選挙やれよ、鬱陶しいんだよ」というようになったのではないか。その結果があの支持率なわけで、都議選の演説等で「政権交代は目的じゃないでしょう」とか声を荒げてる政権首脳の誰かさんを見ると、私は呆れる。「いや、もうそれが目的になってんだよ、お前はそこまで嫌われてんだよ」と。「それが分からないようだから尚更嫌われてるんだよ」と。去年ならまだ政策を論点にして選挙できたろうが、今はもう政権交替そのものが論点になっていて、どうにもならないでしょう。そこまで自らを追い詰めたのは、政権首脳様当人なわけですが。(2009/07/10)

江戸幕府が出来る迄日本は、戦乱の世が続き人民は疲弊しきっていた。良くも悪くも徳川政権になって世の中は、安定した。そうした歴史から日本人のDNAの中に、政権は出来るだけ変わらず、「御上」に従っていればよいと言う感覚が刷り込まれているのではないだろうか。ご意見のように健全な民主主義は、健全な政権交代が可能でなければならないと思う。その為には政党の担当能力は勿論だが、其れを選び、監視をする国民の政治意識が、もっと成長する必要が有るのではないだろうか。自分の政治的要求はとは関係なく隣の誼や家の前の下水を直してくれたからと言ったおよそ「国の将来」とは関係のない理由で選び、一端選んでしまったら後は全く何をやられても無関心では、とてもまともな政権交代は出来ないのではないだろうか。(2009/07/10)

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