ついにビール系飲料のPB(プライベートブランド)商品が世に出る。イオンとセブン&アイ・ホールディングスがそれぞれ税金の安い、いわゆる“第3のビール”を7月下旬から発売する。供給するのはどちらもサントリーだ。
ところが当のサントリーに事情を聞くと、奇妙な答えが返ってきた。広報担当者いわく「当社としてはPBとは考えていない」。
このサントリー側の発言に対して、イオン側は正反対の回答を寄せる。「これは間違いなくPB。その証拠に、缶に記載する販売者、問い合わせ先はともに当社になっている」(広報担当者)。
同じ商品を巡って異なる解釈。その背景にはビール業界の抱える強烈な「PBアレルギー」がある。
ブランド巡り対立も
あらゆる食品、日用品に広がったPBは一般的に、知名度の低い業界下位メーカーが生産を受託することが多い。価格は安いものの、マーケティング費用をかけずに販売量を増やせるからだ。一方、多額の費用をかけてブランド力を築いてきた大手メーカーにとっては、PBの供給は自ら首を絞めることにもなりかねず、消極的だ。

その典型例がビール業界だった。国内市場は事実上大手4社の寡占で極端な下位メーカーはない。加えて、各社とも大量の広告宣伝を打って熾烈なシェア争いを繰り広げており、これ以上の価格下落は防ぎたいところ。このためPBへの警戒感は強く、キリンビールに至ってはメルシャンを買収後、同社が受託していたイオン向けPB缶チューハイの生産をやめさせたほどだ。
それだけに第3のビールのPBは“難産”だったようだ。あるイオン幹部は「開発途中で、PBブランド『トップバリュ』の範疇に入れるかどうかでサントリー側と揉めた」と明かす。結局トップバリュにはなったものの、パッケージには妥協の跡が随所に見られる。
例えば商品名。「麦の薫り」と大きく記載されているが、トップバリュの商品名は本来、「缶チューハイ」「ヌードル」など単純なものが多く、このようなブランド名を持つのは異例。さらに下の方にはサントリーのロゴマークも入っている。酒類は法令で製造元を明記することが義務づけられているが、ロゴまで入れた例はトップバリュでは初めてだという。これはセブンも同様。「ザ・ブリュー」というブランド名とサントリーのロゴが両方入っている。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




からのご案内




