携帯電話の中古市場が急速に拡大している。
東京・吉祥寺の繁華街にある携帯電話ショップ「イーブーム吉祥寺店」には、店内のひときわ目立つ場所に中古携帯のショーウインドーがある。店舗を経営する日本テレホンの有馬知英・営業推進部長は「売れ筋は2年前ぐらいに発売された1万円前後の機種」と説明する。
同社は首都圏・関西で44店舗の通信キャリア専門店と併売店を経営する携帯電話販売大手。昨年10月に自社の併売店の一部で中古携帯の買い取り販売を開始。12月からは全併売店20店舗で展開し、現在はオンラインでも実施している。再利用できる端末はデータ消去や滅菌処理などを行ったうえで販売する。

現在の携帯電話の主流である第3世代(3G)の端末は、電話番号などが書き込まれた「SIMカード」を差し替えるだけで利用できる。再利用が難しい端末は、データを消去してから部品をリサイクルしたり、部品に含まれる希少金属の回収に活用している。
中古はキャリア非公認
同社が中古携帯を扱い始めたのは、昨年、通信キャリア各社が販売奨励金を廃止したことを受けて、端末の販売台数が激減したため。新品が売れない中での苦肉の策だった。しかしユーザーの反応は予想以上で、多い店舗だと1カ月で80〜90台も売れるという。最近では同社以外にも東京・秋葉原のパソコンショップなど、中古携帯ビジネスへの参入が相次いでいる。
中古携帯市場が活発化している背景には、販売奨励金の廃止で買い替えのハードルが高くなったことがある。新規加入やMNP(番号継続制度)による乗り換えの場合は端末を割安で購入できる制度があるが、買い替えでは、こうした制度が利用できず、5万〜6万円近く払わなければならない。「水没で端末が壊れてしまった人などにとって魅力的な選択肢」と有馬部長は言う。
ただし、現状ではどのキャリアも公式では中古携帯を認めていない。その理由の1つとして、「盗難携帯」の存在があると見られる。実際、昨年から転売目的で窃盗団による販売店荒らしが多発している。こうした状況を受けて、キャリア各社は盗難に遭った携帯電話を自動的に使えなくするなど不正利用を防ぐ措置に乗り出している。
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