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第13回 その文書、主語はいったい誰なのか?

  • 山田 ズーニー

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2009年7月13日(月)

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「仕事で書く文章は、
どうしてこんなに、妙な感じになるんだろう?」

そう感じている人はいないだろうか?

家族や友人にプライベートでメールを書くのは
さして苦ではない人も、
「自分は学生時代、けっこうよく文章を書いていた」
という人も、

仕事の文章となると、自分で書いていながらも、
自分で首をひねるような、妙な文章になることがある。

とくに、まったく一面識もない、初めての人に、
依頼の文章を書くときなど、
恐ろしく時間がかかってしまい、
「自分はこんなに書くのが遅い人間ではなかったはずだ」
と自分を疑いたくなることもある。

仕事の文章では、なぜ普段の調子がでないのだろう?

私も、企業に勤めていたある日、
次年度の企画書を書いていて思った。

「企画書って、なんでこんなに書きづらいんだろう?
内容に頭を悩ませているのはもちろんだけど、
それ以前のところで、いちいち時間をとられている感じがする。
書きながら、妙な、
自分でも気持ちがわるい感触がある…」

私がいた部署では、毎年、夏になると、
来年度の企画書を書く。
私は、高校生向けの小論文教材の企画書を
書いていたのだが、
たとえば、こんな感じなのだ。

「この教材では、入試頻出テーマについての
知識と考察力を身につけさせる」

「付録の活用率25%という低さは、
次年度にむけ、廃止も視野において、
検討されねばならない課題である」

妙な文章だ。

これでもそこそこ文章力を買われて
小論文の担当になった。
プライベートでも、職場のだれかにあててメールを書くときも、
決してこんなミョウチクリンな文章にはならない

何か勝手が違う。

「教材では → 身につけさせる」って、
ビミョウに文がねじれている感じもするし、

それに、「検討されねばならない課題」って、
もってまわった言い方だなあ…。

「活用率が低いので付録は来年やめたい」と
ただそう言いたいだけなのに、それに、
「検討されねば」って、いったい、だれが検討するの?
会社? 編集部? 部長? 私???

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