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「死の海」を抱えた町は今や環境都市

水俣は日本で一番、イメージと現実が異なる町

  • 吉永 利夫

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2009年7月16日(木)

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 「水俣市」と聞いて読者の皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。恐らく大半の人が「水俣病」を思い浮かべることでしょう。

 25年ほど前に行ったインドでは、片田舎の学生が「MINAMATA」の名前を知っていました。ドイツでも英国でもシンガポールでも、MINAMATAは有名です。環境汚染によって膨大な被害者を出した水俣病。それだけ多くの人に衝撃を与えたということでしょう。

 このイメージは今の時代でも変わりません。

 修学旅行生や視察者の多くは、「水俣の海は汚い」「魚を食べるのが怖い」と考えながら水俣にやってきます。さらに、「水俣病はとっくに解決した」「水俣にはチッソの工場はもうない」と思っている人々も大勢います。被害の全容解明と補償を求めた訴訟や交渉は続いているのは紛れもない事実。ただ、水俣の姿はそれだけではありません。今回は水俣のありのままの姿を皆さんにお伝えしたいと思います。

棚田を潤す湧き水、海沿いに広がるみかん畑

 海のイメージが強烈な水俣ですが、実は水俣市の70%はスギやヒノキの山間地が占めています。それだけ山深い土地柄ですから、30分も車を飛ばせば、湧き水の源流にすぐに辿り着きます。

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 この山肌から湧き出る水は今でも住民の生活を支えています。水道の普及率で言えば後進地域と言えるかもしれません。でも、山間部の人々はずっと同じ湧き水を使い続けている。それが、太古の昔からの当たり前の生活なのです。

 山間部にはこの水を利用した棚田が広がっています。古いものでは、江戸時代に作られた棚田もあるとのこと。水俣でも過疎化が進んでいますが、そのほとんどがコメ作りの“現役”として使われています。水俣の山肌から湧き出る湧き水は支流をいくつも集めながら水俣川となり、水俣の海、不知火海に注いでいます。

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 温暖な気候と山々に囲まれた水俣では、多様な農業が行われてきました。

 温暖な水俣は甘夏みかん、温州みかん、デコポンなど柑橘類の宝庫。リアス式海岸沿いには、みかん山が広がっています。花の咲く4月から5月には、甘く強い躍動感のあるにおいが地域全体に漂います。それは本当にむせ返るようなにおいです。

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 水俣病という公害を引き起こした土地柄でしょうか、無農薬や低農薬、有機農法でみかんを育てている農家も少なくありません。人間と同じでみかんの味も見かけではありません。「ガサクレ」と呼ばれる見栄えの悪い小粒のみかんの味は格別です。

 柑橘類のほかには、穏やかな気候を生かした極早生のたまねぎ栽培が盛んで、JAを挙げて取り組んでいます。「水俣の農産物は何か」。そう聞くと、極早生たまねぎの水俣ブランド「サラたまちゃん」を挙げる関係者は多くいます。サラたまちゃんの苗を植える11月には畑一面が真っ黒になります。太陽光の熱で土壌の殺菌や雑草の生育を抑えるために、黒いビニールを地面に張るからです。

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