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【技術フロンティア】逆転発想で性能革新

ランフラットタイヤ(パンクでも走行可能)~ブリヂストン

  • 江村 英哲

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2009年7月17日(金)

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突然のパンクでも、車体のバランスを崩さずに走行できるランフラットタイヤ。破損原因の「熱」を利用して、走行距離を増す新製品が開発された。軽量化できると自動車大手も採用を検討、10年で8倍の出荷数を目指す。

 タイヤ内の空気圧がゼロでも車体を保持し、ある程度の距離なら走行できるランフラットタイヤ。国際標準化機構(ISO)の基準では、パンクした状態でも、「時速80km以下で80kmまで走行できる」性能をランフラットタイヤは満たす必要がある。

 ブリヂストンは、SUV(多目的スポーツ車)やコンパクトカーなど車種にもよるが基準の倍以上を走行できる「第3世代ランフラットタイヤ」を開発した。加えて原料となるゴムの使用量を減らし、前モデルの「第2世代」と比べて5%ほど軽量化に成功した。今年中には、自動車メーカーに向けた供給を始める予定だ。

「敵」である熱をうまく利用

 第3世代モデルの特徴は3つある。その中で最も画期的なものは、これまでタイヤを破損させる原因だった「熱」を、破損防止に利用した点だ。タイヤ開発第3本部の市川良彦本部長は語る。「開発陣は『タイヤで発生する熱は敵』と思ってきた。しかし、うまく熱をコントロールすれば、安全性と快適性を両立できることが分かった」。

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 研究者が「熱は敵」と考えてきたのは、パンクによって熱が発生し、それがタイヤを破損させてしまうからだ。熱でタイヤが破裂する仕組みはこうだ。路面に落ちている釘などの突起物を踏んで小さな穴が開くと、そこから空気が漏れ始め、タイヤ内の空気圧が低下する。それによって車体の重量を支え切れなくなる。

 そうするとタイヤの側面がつぶされ、たわみが生じる。たわんだ状態で走り続けると、回転に合わせてタイヤは屈曲運動を繰り返し、折れ曲がった部分が次第に熱を帯びてしまう。ゴムは蓄熱しやすい性質がある。クルマが走行を続ければ、熱を帯びた部分が軟らかくなる。その部位にクルマの重さが集中すると、最終的にタイヤは弾けるように破損するのだ。

 破れたタイヤでは、クルマの制御ができなくなる。ハンドルが利かなくなり、対向車線や歩道にクルマが飛び出したりすれば大きな事故になりかねない。市川本部長は「国内では、1日に平均1万台のクルマがパンクしている」と話す。

 事故の原因になりかねないタイヤの破裂を防ぐために、第3世代モデルでは敵である熱を味方にする機能を加えた。その仕組みは、タイヤの骨組み素材にある。タイヤの形状を保持するために使う繊維を、熱が加わると収縮する素材に変えたのだ。

 先に述べたようにタイヤがパンクすると、空気圧が低下して変形、それによって屈曲を繰り返し、たわんだ部分が高温になる。第3世代モデルに使う素材は熱が出ると繊維が縮み、強い力で引っ張り上げるような力が加わる。

 本来なら熱が加わって軟らかくなる部分が、強く引き上げられることで、折れ曲がったタイヤ側面は立ち上がる。タイヤの屈曲部の変形が抑えられれば、温度の上昇が緩やかになる。

 新しい繊維に何を採用したのかをブリヂストンは公表していないが、自社で開発した素材ではないという。「これまで外部の協力会社と、学術的な会合を重ね、常に新しい素材を探し続けてきた」と市川本部長は話す。

熱が発生するまでの時間を長く

 素材を改良して熱によるたわみを抑えたとしても、空気圧が失われた状態で、いつまでも1トンを超える車体を支え続けることはできない。たわみを完全になくすことができるわけではないため、長い距離を走れば発熱は避けられないのだ。

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