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中国、資源の宝庫が火薬庫に

新疆ウイグル自治区はエネルギー戦略の要衝

2009年7月23日(木)

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 ウイグル族と漢族の対立に端を発した大規模な騒乱から約2週間。新疆ウイグル自治区の区都ウルムチでは厳戒態勢が続いており、事態は長期化の様相を見せている。

 昨年はチベットが火を噴いた。55の少数民族が住む中国にとって、民族問題は最も解決が難しい課題だ。経済的に見れば、今回の問題は中でも最も根が深い。中国全土の面積の約6分の1を占める新疆ウイグル自治区は、資源エネルギー戦略の最重要地域として経済構造に組み込まれているからだ。

中央アジアとの窓口

 ウルムチで騒乱が勃発する1週間前。胡錦濤・国家主席の後継者候補の1人、李克強副首相は中央アジアのトルクメニスタンを訪れていた。同国のベルドイムハメドフ大統領と会談し、中国最大手の国営石油企業、中国石油天然気集団(CNPC)が進める天然ガス事業の調印式に参加するためだ。

 今回の公式訪問で、建設が進められてきた中国へのパイプライン事業に最終的なゴーサインが出された。今年末から30年間、中国に毎年400億m3もの天然ガスを供給する計画だ。

 このプロジェクトは中国で「第二西気東輸」と呼ばれている。「西気東輸」とは、新疆ウイグル自治区のタリム油田で採掘した天然ガスを沿岸部に供給する事業の通称。2004年から稼働するパイプラインは上海や北京にまでつながる。青海省とチベット自治区を結ぶ青蔵鉄道などと並ぶ「西部大開発」の代表的な事業だ。

 今年末に稼働する「第二」で、初めてそのパイプライン網が国境を越える。約2兆円を投じて敷かれるパイプラインは主幹線だけで全長4800kmあり、2012年にも広州や香港などへの供給が始まる見込み。供給される年間400億m3の天然ガスは、2008年の中国の総消費量の約半分にも達する。

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 トルクメニスタンからのパイプラインはウズベキスタンや隣国カザフスタンを経由し、新疆ウイグル自治区へ入る。そして天然ガスを産出する自治区内のカラマイ油田などを経て、沿岸部へとつながる。

 現在、天然ガスのパイプラインプロジェクトでは東北部経由のロシア、今年中の着工も報じられているミャンマーからの輸入がある。ただ価格条件など流動的な要素が多く、「インフラ整備が進み具体的な計画が見えている第二西気東輸は当面、中国の天然ガス供給計画の中で重要な役割を担う」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構調査部の竹原美佳主任調査員)。

 天然ガスだけではない。2006年から稼働するカザフスタンからの原油パイプラインも、終着点は新疆ウイルグル自治区にある。カザフスタンではCNPCがカスピ海の石油採掘権を持つ石油会社や油田権益を買収するなど、積極的に資源確保に動いている。

 中国にとって、持続的な経済成長に必要な資源・エネルギーの確保は最重要課題だ。エネルギー源の約7割を石炭に依存するが、大気汚染の緩和や温暖化ガスの排出量削減のためにも石油資源を囲い込まなくてはならない。

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「中国、資源の宝庫が火薬庫に」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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