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次なる危機の予兆、ゴールドマン復活

2009年7月21日(火)

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 ゴールドマン・サックスが7月14日に発表した今年第2四半期(4~6月)の純利益は34億3500万ドルで、四半期ベースで過去最高となった。(1) 投資銀行部門の株式の引き受け、(2) 債券・為替・商品部門、(3) 株式部門などが好調だったのが主因である。

 同社の第1四半期の純利益は18億1400万ドルだったので、上半期で52億4900万ドル、年換算で104億9800万ドル(約9853億円)となる。

 また、JPモルガン・チェースも7月16日に、第2四半期の純利益が27億2100万ドルで、第1四半期(同21億4100万ドル)を上回る好決算になったと発表した。

数十億円という報酬を手にする経営陣たち

 ゴールドマンの従業員報酬を見ると、今年上半期の総額は113億6100万ドルだったので、従業員数で割ると、1人当たり38万3817ドル、年換算で76万7634ドル(約7200万円)となる。この数字には、事務職や社内郵便係等も含まれるので、いわゆるプロフェッショナル職の場合、優に1億円を超え、経営陣や成績のよいトレーダーたちは、数億から数十億円という報酬を手にすることになる。

 2008年9月にリーマン・ブラザーズが破綻し、ゴールドマン、モルガン・スタンレー、シティバンク、バンク・オブ・アメリカなどが政府から「金融安定化法」にもとづく資本注入を受け、投資銀行各行がBIS規制に従う「銀行」となった頃は、「投資銀行は消滅した」と言われたりした。

 しかし実際には、BISの自己資本規制に縛られるようになって、無制限にレバレッジをかけて資産を膨らませられなくなったというだけで、投資銀行が消滅したわけではない。単に、1990年代前半のビジネスモデルに回帰するだけで、いずれ復活するということは、業界関係者は一様に予想していたし、筆者もメディアのインタビュー等で一貫してそのように答えてきた。

 中でもゴールドマンは、JPモルガン・チェース、クレディ・スイス、ドイツ銀行などと並んで、サブプライム・リスクにいち早く気付き、2006年の終わり頃から、マーケットに対する逆張りや、リスクヘッジをしていたので、傷も浅かった。

いち早く危機に気付いていたダイモンら

 ちなみに、ジリアン・テットの『Fool's Gold: How the Bold Dream of a Small Tribe at J.P. Morgan Was Corrupted by Wall Street Greed and Unleashed a Catastrophe』(邦訳未出版)には、2004年にJPモルガン・チェースのプレジデント兼COOに就任したジェイミー・ダイモンが、同行のロンドンのデリバティブ・チームを訪問したとき、事前に送られたブリーフィング資料を完全に頭の中に叩き込んで、ロンドンに到着するなり極めて専門的な議論を始めたことや、2006年初頭から米国の住宅価格が下がり始めたとき、デリバティブの詳細を「ハンズ・オン」で理解しているダイモンは、金融システムに及ぼす影響を察知し、適切な対策をとったことが描かれている。

 また、2007年4月にG8各国の財務省幹部が、エンロンなどを売り倒した米国のカラ売り屋ジェームズ・チェイノスをワシントンの世界銀行に招き、米国のサブプライム問題の影響について彼の意見を聞いたとき、チェイノスは、「CDOやSIVを通じて重大な影響が世界の金融機関に及ぶ」と警告したが、出席者たちのほとんどが、それを理解できなかったと書かれている。

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「次なる危機の予兆、ゴールドマン復活」の著者

黒木 亮

黒木 亮(くろき・りょう)

作家

1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学(中東研究科)修士。銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務して作家に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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