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投票日さえ決められなかった麻生内閣

国会議員よ、選挙でなく国民のために行動せよ

2009年7月22日(水)

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 7月21日、麻生太郎首相はとうとう衆院解散に踏み切った。投開票は8月30日。約40日後の決戦に向けて、各々の衆院議員は臨戦態勢に入った。今回の解散と目前に迫った衆院選について、政治学を専門にする早稲田大学の田中愛治教授に聞いた。

(聞き手は日経ビジネス オンライン記者、篠原匡)


 ―― 昨日、ついに衆院が解散されました。ただ、投開票は8月30日とだいぶ先になりました。約40日という期間が空くことになりますが、その点はどう思われましたか。

 田中 麻生さんが「降ろされる前に解散を宣言した」ということではないでしょうか。麻生さんは8月2日、もしくは8日の投開票というスケジュールを考えていたようですが、都議選大敗のショックが大きく、いきなり選挙が来るとそのまま大敗する恐れがある。できるだけ、体勢を立て直したいと考えるのが普通でしょう。

選挙の勝利しか考えていなかった麻生首相

田中 愛治(たなか・あいじ)氏
1951年東京都生まれ。1975年早稲田大学政治経済学部卒業、1985年オハイオ州立大学大学院政治学研究科博士課程修了。東洋英和女学院大学助教授、青山学院大学法学部助教授、教授などを経て、現在は早稲田大学政治経済学部教授。「政治過程論」(有斐閣、2000年、共著)など著書多数。
(写真:村田 和聡、以下同)

 田中 ただ、かといって、モタモタしていると、麻生降ろしの声が大きくなってしまう。解散を宣言すれば、選挙の公認で党内を牽制できる。従って、一刻も早く解散を打ちたいが、都議選のショックもあり、すぐに選挙に突入するわけにもいかない。このジレンマを抱える中で、麻生降ろしを押さえて先手を打つために早めの解散を宣言したということでしょう。

 あとは、公明党の事情もあると思いますよ。公明党は都議選で23人の立候補者全員を当選させました。公明党は都議選にかなりの力を注ぎましたが、投票率が上がった中での組織選挙ですから、党員や支持者には相当の負担がかかったことでしょう。公明党にしても、できるだけ時間をおいた方がよかった。

 こうした諸々の条件によって40日という異例の空白ができたのでしょう。もっとも、これまでに話したことはテクニカルな話であって、本質的な問題ではありません。

 ―― どういうことでしょうか。

 田中 2008年9月1日に福田康夫・前首相が辞意を漏らし、麻生さんが総裁に選ばれました。「選挙のためにやってくれ。あんたなら勝てるから」と福田さんに託されて、麻生さんは自民党総裁になり、首相になったわけです。その時から、麻生さんは「選挙での勝利」という呪縛にとらわれた。来るべき衆院選で勝つこと以外、考えられなくなったんですね。

 ところが、世の中はというと…、米国のリーマンブラザーズ証券が経営破綻し、未曾有の金融危機に見舞われていた。本来であれば、一国のリーダーとしてこの国の経済をどうするか、危機に直面した金融に対して、世界第2位の経済大国である日本が何をすべきか、それが最初の課題になるはずです。だけども、麻生さんを見ていると、選挙に勝つことが至上命題であって、そのことをあまり考えていなかった。

 ―― 確かに、経済対策はまとめましたが、後手に回った感は否めません。

これだけ投票日が動いた内閣はほかにない

 田中 1年間でこれだけ選挙日程が出てきた内閣は過去にありませんよ。はじめ、10月26日という選挙日程が上がり、私たちも選挙調査のために準備を始めました。ところが、11月に選挙をやるという話が3回出た後、1月25日という線も浮上した。

 「選挙があるかもしれない」と言われ続けて年が明けて、「年度内解散はないだろう」という話になり、予算成立直後の解散という声も上がったけれども、「やっぱりないだろう」となった。「7月のサミット前」という話はみなブラフでないだろうと思ったけど、最後は7月12日の都議選と同日ということまで言われたわけでしょう。最終的には、6月頃に「8月だろう」ということで落ち着きましたけどね。

 ―― そう言えば、いろいろな日程が出ていました。

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「投票日さえ決められなかった麻生内閣」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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