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「キリンとサントリー経営統合」に続くのは?

共同持ち株会社によるM&Aの最新動向

2009年7月23日(木)

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 2009年7月初旬に、「キリンホールディングスとサントリーホールディングスが経営統合に向けて交渉開始」というセンセーショナルな報道があった。業界1位と3位で、かつ2008年12月期決算では過去最高益を上げた勝ち組企業が手を組むとあって、世間の話題を集めている。

 キリンは上場企業、サントリーは同族の非上場企業であり、企業風土も違う。それを両社「対等の立場」を基本原則として経営統合の交渉が進められている。従って、持ち株会社の下に、両社の事業会社を置く統合形態になることが予想できる。

 では、共同持ち株会社を活用したM&A(合併・買収)の意義や課題として、どのような点が考えられるだろうか。

被買収企業の“感情”を逆なでしない

 共同持ち株会社を設立して他社と経営統合する場合、持ち株会社の下に事業会社が並列に置かれる。このため、合併や子会社化と比べ、一方の傘下に入るといったようなことについて、統合される企業間で抵抗感も小さい。被買収企業を円滑に受け入れるうえで持ち株会社は有効である。相手先の経営の独自性を尊重しつつ、一方で統合によるスケールメリットを統合した複数の企業間で共有することができる。

 食品業界のように、小売りとの価格交渉力の強化や海外展開の強化のためには、一定の企業規模の確保が必須となっている。そのために競合企業との合従連衡が求められているが、一方で経営主導権を確保したい同族企業やM&Aに保守的な企業が多い。このような業界では共同持ち株会社は有効な手段である。キリンとサントリーの経営統合交渉の開始は、まさに先行事例になり得るだろう。

 既に流通業界では、シェア確保や規模追求のための統合が多く見られ、持ち株会社が活用されている。小売りではコンビニエンスストアチェーンのサークルKジャパンとサンクスアンドアソシエイツの統合、家電量販チェーンのデオデオとエイデンの統合が挙げられる。卸では、日用雑貨問屋のダイカ、伊藤伊、サンビックの3社統合がある。いずれも、同族企業が関係しており、規模の経済の追求とコア事業の強化のための統合である。

 いずれの経営統合においても、経営トップは、企業文化摩擦の回避、間接部門の集中や共同仕入れの導入によるトータルコストダウン、全国規模での出店などを実現するには、持ち株会社の活用による統合が最適であると判断している。

 2002年3月に、デオデオとエイデンは、株式移転方式により共同持ち株会社エディオンを設立し、同社の下で統合した。それ以降、当初の目論みどおり、ミドリ電化及び石丸電気を完全子会社化、サンキューなどを連結子会社化するなど、積極的にM&Aを展開している。

「競争」と「協調」の実現を目指す

 コンビニチェーン業界4位のサークルKと5位のサンクスは、21世紀に向けた事業戦略の柱として業界のトップクラスの事業規模を持つことが両社の発展に不可欠との判断に基づき、合併を視野に入れて、1998年10月に資本・業務提携を行った。両社は、2000年9月に、共同持ち株会社の下で統合することを正式に発表し、2001年7月に、統合を完了した。

 この経営統合は、株式交換と会社分割を同時に実施して共同持ち株会社の下に2社を統合するスキームを活用した。最初にサークルKがサンクスを株式交換により100%子会社とし、同時に社名をシーアンドエスと変更した。次にシーアンドエスは、会社分割で新たに設立する全額出資子会社サークルK・ジャパンに全営業を引き継いだ。これにより、持ち株会社シーアンドエスの下に100%子会社のサークルKとサンクス2社が並列に置かれた。持ち株会社の社名をシーアンドエスとした。

 統合により、シーアンドエスは、業界3位のコンビニチェーンとなった。持ち株会社シーアンドエスは、グループ経営戦略やシステム開発、共通商品仕入れ、物流管理などを行い、事業会社は、加盟店のサポートや店舗開発・加盟者募集を従来どおり担当する。

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