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内閣官房・参事官が分析する「北朝鮮発の最悪シナリオ」

北朝鮮のミサイル、経済危機が引き起こす世界大戦

2009年7月24日(金)

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 一転二転、三転四転と混迷を極める政局、先行きの見えない経済情勢。そんな状況下でも、政策提言から外れた国際情勢や、国が晒されているリスクを分析し、淡々と首相にレポートしている組織がある。内閣専属の情報機関を抱える内閣官房である。

 その内閣官房で、主にマクロ経済を専門として情報分析を続けている参事官が、混迷の最中にあえて口を開いた。藤和彦参事官だ。

 止まらぬ北朝鮮のミサイル発射や、終わりの見えない経済危機に、「世界大戦へとつながるリスクがある」と警鐘を鳴らした上で、グローバリゼーション一辺倒の日本経済に、「内需主導の成長を」との提言も披瀝する。


 ―― 北朝鮮の威嚇が止まりません。7月4日には日本海に向けて計7発のミサイルを撃ち込みました。国家規模のリスク分析を担当する立場として、どれほどのリスクがあると見ていますか?

藤 和彦(ふじ・かずひこ)氏
1960年名古屋市生まれ。84年早稲田大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)へ入省。大臣官房、産業政策局、資源エネルギー庁、中小企業庁、石油公団などで勤務。2003年、内閣官房へ出向、現在経済担当の内閣参事官として、首相向けの情報収集、分析に携わる (写真:陶山 勉、以下同)
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 藤 2006年7月、3年前に同じようにミサイルを発射して、それから核実験なるものをやったのですが、思い起こせばその時は世界がバブルの絶頂期だったんですね。

 当然のことながら関係国も鷹揚に構えられたし、いざとなったら軍事手段を投入するぞという構えがあったのですが、昨年9月の「リーマンショック」以降、関係国すべてが経済不安で悩み、財政的な余裕がなくなっている状態です。

 ですから、責任を持って、この朝鮮半島のリスクをコントロールしようとする国が無いのではないか、というのが最大の懸念です。

 ―― 一体、北朝鮮国内では何が起きていると分析していますか。

 藤 ミサイルの発射や核実験も含めて、やはり改革派の動きをあまり嬉しいと思ってない連中がやっているんじゃないかと一般に言われています。これは、米国が対話に乗って来ないからです。

 ―― クリントン米国務長官は最近のインタビューで、北朝鮮を「手に負えない10歳代の子ども」と評しました。やはり、北朝鮮は業を煮やしているのでしょうか。

 藤 心配なんだと思います。彼らからすれば、いつ米国にサージカルアタック(外科手術的な先制攻撃)をされるか分からないという恐怖がある。だから、何とか早く米国に対話で安全保障を確保してもらいたい。そうしないことには改革開放もできないと。

 実際、中国にしても、まず1978年に米国と平和条約を結んだ後に、改革開放をやっているわけですね。それを北朝鮮もよく見ていますから、まず米国との関係の正常化を行って、そこから初めて改革開放だと。

 それを、じっくりやればいいと思っていたのが、何がしかの前倒しをしなければいけない理由が出てきたということじゃないでしょうか。その理由が、金正日さんの健康問題ではないかというのが、今、一番有力な説ですよね。

本当に金正日総書記は息子に継承させたいのか

 ―― 健康問題と前後して、後継者問題も取り沙汰され、三男の金正雲氏が後継者として正式に内定したとの報道もありました。

 私は懐疑的に見ています。決まっているなら、あんなに対外的なドタバタ劇をするのかなと。たぶん、まだいろいろな勢力がうごめいていて、そのうちの1つのグループが韓国メディアを利用して、対内的にアピールしているんじゃないかという気がします。

 というか、もっと言っちゃいますと、本当に金正日が息子に王位継承をさせたがっているのかすら懐疑的です。そうなのか、本当はまだ誰も分かってないんですよね。こんなひどい状況で息子たちに継がせたくない、こういう辛いことは自分限りにしておきたいと金正日総書記が思っている可能性も排除できないのではないでしょうか。

コメント17件コメント/レビュー

「鎖国」とは!? 日本の現状(例えば貿易に関して)を理解しているのだろうか?そういう意味でも国際的な情報を持っているとも思えないし、情報なくして外交戦略など立てられるわけもない。日本の外交力の無さは、このような官僚が政府で幅をきかせているからだと思いました。(2009/07/31)

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「内閣官房・参事官が分析する「北朝鮮発の最悪シナリオ」」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「鎖国」とは!? 日本の現状(例えば貿易に関して)を理解しているのだろうか?そういう意味でも国際的な情報を持っているとも思えないし、情報なくして外交戦略など立てられるわけもない。日本の外交力の無さは、このような官僚が政府で幅をきかせているからだと思いました。(2009/07/31)

日本のカントリーリスクが高いのか低いのか、話が混乱しているが、重要な指摘もある。理性的に考えてありえない開戦もあるということ。北朝鮮の若手軍人は自国を過大評価しているという情報もある。中国に国債を握られている米国が、万が一のとき日和見になる可能性はないとはいえない。ブロック経済化に備えるということ。自由貿易の理想と現実は違う。現に米国ではバイアメリカンの動きが出ている。日本が望まなくともブロック経済化への対応は視野に入れるべき。(2009/07/31)

前半の戦争リスクは否定しません。しかし後半部の経済については意味不明。最初の方と同様、特に最後の『鎖国』主義の主張など到底賛成できません。●まず、「国内経済重視(優先度変更)」と「国際貿易を全て断絶(切捨て)」を混合してます。極端な例えだろうと、『鎖国』という言葉は、江戸時代ならともかく、現代日本の"資源や食料を海外に依存する状況"を無視しすぎでしょう(鎖国すれば昨年のような石油・小麦価格の世界的高騰の影響を回避できるのでしょうか?)●「日本が自給自足できる国ならばともかく、世界多くの国が かつてのブロック経済のような保護主義に走る状況になれば、日本の方がより困る。」左記の前提を踏まえた上で、もしするなら反証の根拠を示して自論をご主張下さい。(2009/07/30)

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