「今年に入ってゲーム業界に大ヒット作がなく、元気が足りなかった」
こう厳しい認識を示したのは、誰あろうゲーム業界で独り勝ちを続ける任天堂の岩田聡社長だ。
岩田社長の発言が示す「明と暗」
人気シリーズの最新作「モンスターハンター(モンハン)3」の8月1日発売を控えて、カプコンが7月に開いた完成披露会の壇上での発言だ。他社のお祝いの席ということもあり、モンハン3への期待の挨拶でさりげなく触れたとはいえ、あえて厳しい表現を盛り込んだ意味は重い。そこからは、任天堂の「明」と「暗」が浮き彫りになる。

まず「明」はソフトの囲い込み。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)や米マイクロソフト(MS)は歯噛みしていることだろう。今夏の任天堂は、国内有数の人気タイトルをほぼ独り占めした。
携帯型機「ニンテンドーDS」向けにスクウェア・エニックスが7月11日に発売した「ドラゴンクエスト(ドラクエ)9」。国民的ロール・プレイング・ゲームの最新作とあって、既に出荷数は300万本を突破した。
据え置き型「Wii(ウィー)」用ソフトの目玉がモンハン3だ。前作は国内出荷本数で350万本と、若い世代にはドラクエ以上の認知度を誇る人気アクションゲームだ。カプコンはモンハン3では200万本の出荷を見込み、こちらもヒットが確実視される。
一方で「暗」もある。国内ゲーム市場全体は沈む傾向にある。ゲーム専門誌発行のエンターブレインによれば、国内ゲーム市場の2009年上半期の規模は前年同期比で24.4%減(2189億2000万円)。実は2008年も、2007年比で15.3%減と収縮が続く。その間、海外市場の伸びに支えられたが、今後は不透明だ。米調査会社のNPDによればゲーム最大市場の米国でも、前年実績を4カ月連続割り込んだ。
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