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金正日、語られない99%の真実

後継者問題は米国の気を引くために仕組まれた

2009年7月31日(金)

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 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記に健康不安説が浮上した昨年9月以降、北東アジアは不安定な状況に置かれている。国際社会の非難をよそにミサイル発射実験や核実験を強行。ポスト金正日では26歳の三男が浮上した。北朝鮮の権力構造がどう変化するのか、世界中が注視している。

 北朝鮮の最高権力者、金正日氏とは何者か。なぜ核やミサイル実験を止めないのか。後継者問題の本質は何か――。金大中政権下、直接担当者として北朝鮮との交渉に関わり、『金正日最後の賭け 宣戦布告か和平か』(ランダムハウス講談社)を上梓した張誠珉(チャン・ソンミン)氏に話を聞いた。

(聞き手は日経ビジネス オンライン、篠原匡)


 ―― 核・ミサイル実験や自身の健康不安、後継者問題など北朝鮮と金正日氏の周辺はあわただしくなってきました。これらの動きが激しさを増したのは、本をただせば、昨年9月に浮上した金正日氏の健康不安説でした。最初に、金正日氏の健康状態について、お聞かせいただけますか。

  現在の健康状態を言うと、1つは慢性的な心臓疾患に罹っています。次に、糖尿病による合併症。さらには、脳卒中による麻痺、心内血栓症もささやかれている。大腸ガンにかかったという説もありますが、結局のところ、彼の症状は様々な要素が総合的に作用した結果だろう、と考えております。

コニャックを好んで飲んだ金正日

張誠珉(チャン・ソンミン)氏
1963年生まれ。90年延世大学国際大学院で北朝鮮政治学を履修、96年ソガン大学大学院を卒業。政治外交学で修士号を取得した。英ケンブリッジ大学セントジョンズ大学院国際大学院、米デューク大学国際問題研究所などでの研究活動の後、金大中政権では元大統領の秘書室政務秘書官、初代国政状況室長を歴任した。現在は「世界と北東アジア平和フォーラム」代表、韓国国際政治学会取締役として、北朝鮮の核問題と半島平和活動に対する講演と執筆活動を続けている
(写真:村田 和聡、以下同)
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 率直に言って、ほとんど病気にかかっていないところはない、と言っていいでしょう。脳卒中で頭の状態が悪くなって、体の一部に麻痺が残っている。糖尿病によって、右足を引きずっている状態であり、内臓脂肪がたまっていて、心臓も手術している。昨年9月に健康不安説が浮上して以降、金正日氏の健康状態は悪化している、と私は見ています。

 ―― 金正日氏は現在67歳。北朝鮮ではかなりの長命でしょう。やはり長年の不摂生がたたった、ということでしょうか。

  なぜ健康状態が悪化したか。それにはいくつかの要因があると考えています。1つは、金正日氏が若い頃からコニャックなどの度数の強い酒を好んできたということ。50歳前後に心臓病をわずらい、それまでの強い酒からフランス産ボルドーの赤ワインに切り替えましたが、それまでは党の関係者を呼んで毎晩のようにパーティを開いていました。

 2つ目は運動嫌いであること。金正日氏はジョギングや陸上のように体を動かす運動はあまり好きではありません。その代わり、乗馬や射撃、バスケットやサッカーの観戦など、体を動かさない運動は大好き(笑)。これが2番目の要因です。

 3番目は金日成(キム・イルソン)、金正日、長男の金正男(キム・ジョンナム)、三男の金正雲(キム・ジョンウン)など、父や子供たちと共通するポイントですが、肥満体質であるという点。これは、遺伝的なものと推測されています。さらに言えば、ヘビースモーカーだったことも影響しているでしょう。金正日氏の声はかなりハスキーですが、これは若くしてかなりのたばこを吸ったため、と考えられています。

20年にわたって徹底した後継者教育を受けた

 ―― 「喜び組」に象徴される女好き、酒好き、たばこ好きなど、金正日氏ついては暗愚な独裁者というイメージがありますが…。

  確かに、金正日氏のイメージは、女好き、酒好きといったところばかりがクローズアップされますが、実はこれらの要素は「金正日」という人物を語る一面でしかありません。彼の本質は、政治的な本能を持っている人物ということでしょう。

 ―― どういうことでしょうか。

金正日最後の賭け 宣戦布告か和平か』(ランダムハウス講談社)

  金正日氏のことを考える場合は、まず父母のことを考えなければなりません。父はご存じの通り、抗日闘争を繰り広げてきた金日成氏。母はその部下で遊撃隊員だった金正淑(キム・ジョンスク)氏です。金正日氏はこの父と母の下、パルチザン(ゲリラ軍)の野営地で育ちました。

 さらに、8歳の時に朝鮮戦争を経験しており、この時は満州での疎開生活を余儀なくされました。金正日氏は非常に好戦的な要素を、ある意味、生まれてすぐに持つに至った。彼が戦争と闘争意識を日常的なものとして受け入れてきた、という事実を忘れるべきではありません。

 その後、1974年に政治委員会委員に選出されたことをきっかけに、金日成氏の後継者として20年間にわたる徹底した後継者教育を受けています。この後継者教育では、北朝鮮の歴史、地理、周辺国家の動向や関係などを徹底的に学んできました。その中では、権力闘争も経験しています。自国の立ち位置や周辺国との関係を知り尽くした人物。それが、金正日という男です。

コメント31件コメント/レビュー

最後の文章を読んで、北朝鮮独裁者が日本人にどう見られているかわかっていない人の文章だと思った。日経BPを利用して工作員まがいのメッセージを発信しているように思った。(2009/08/14)

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「金正日、語られない99%の真実」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

最後の文章を読んで、北朝鮮独裁者が日本人にどう見られているかわかっていない人の文章だと思った。日経BPを利用して工作員まがいのメッセージを発信しているように思った。(2009/08/14)

まず、「中国の影響力を止めるためにも日本は朝鮮半島に影響力を持ち続けるべき」という考え方はいまや時代錯誤でしょう。世界的に見ても中国の影響力拡大は止められませんし、いまや中国とは敵対するのではなく、いかに協力体制を敷くことかが日米両国(そして中国側にとっても)重要課題となっています。北に対しては、拉致問題や核兵器開発撤廃を含めた一方的な恫喝と北の裏切りに解決策が見出せない限り、日本側は米国と同様に「対話のチャンネル」を開きながら静観するのがベストです。100億ドルという賠償金請求も意味がわかりませんが、もし請求するのであれば過去に北の賠償金ぶんも受け取った韓国政府側でしょう。反日政策と表裏一体だった太陽政策時代の韓国を見るにつれ、韓国と北朝鮮への譲歩は、日本側が一方的に利用されるだけで何のメリットもありません。おそらく朝鮮半島は、他国(日米中)に頼らずまず彼ら自身で南北問題の落としどころを探るべき時期に来ているのではないでしょうか。(2009/08/13)

途中まで良かったのに、最後でガクッときた。結局、北朝鮮の「かまって」に付き合えということか。日本をナメるなと言いたい。(2009/08/13)

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