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第29話 自転車で遊説も効くんです

  • 出井 康博

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2009年8月7日(金)

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 8月30日の総選挙に向けたカウントダウンが続いている。今回の総選挙は、衆院解散から投票まで40日という異例の長さだ。その間、候補者は何をして過ごすのか。

 民主党から出馬する新人候補・B(30代)の場合、自転車での遊説に力を入れている。1週間に5日程度、多い日には午前と午後に2時間ずつ、スタッフと一緒に選挙区内を回る。

 Bに限らず、若い候補者にはあえて街宣車に乗らず、遊説に自転車を使うケースが少なくない。単なるパフォーマンスと見えなくもないが、その効果はあるのだろうか。Bの自転車隊に同行した。

3分ほどの演説で次に出発

 その日、Bの選挙区は今年一番の暑さが襲っていた。時刻が午後4時半に近づいても、真昼の日差しが照りつけている。気温はゆうに30度を超えているに違いない。

自転車隊の出発準備をするB (撮影:筆者)
画像のクリックで拡大表示

 そんな中、街道沿いの三差路に自転車を止めたBが、半そでシャツとスーツのズボン姿で演説を続けている。

 「皆さんの税金の使い方を改める。そのためには政権交代が…」

 スタッフのJが、コンビニで調達したお茶のペットボトルを手に戻り、4台の自転車のかごに入れていく。

 Jについては第16話でも紹介したが、今年4月からBの事務所に加わった元公務員だ。今日の自転車隊の先導役を務めている。

 自転車隊は30分ほど前、選挙区内にある駅前から出発したばかりだ。その際にも、冷えたペットボトルが1本ずつ配られていたが、この炎天下である。1本の水分補給だけでは、とても2時間の行程は持ちそうにはなかった。

 演説を続けるBから3メートルほど離れた場所には、スタッフ用の青いポロシャツを着たボランティアのKが、Bの名前の書かれたノボリを片手に立っている。ぽっちゃりした顔に汗を浮かべ、行き交う車に向かって「よろしくお願いします」と手を振り続ける。

 Kは20代後半で、建設会社のサラリーマンを辞めたばかりだ。親同士が近所付き合いをしているBが立候補したと聞き、ボランティアを買って出た。自転車隊には必ず参加するため、顔は日焼けして真っ黒だ。

「さあ、次に行きましょう!」
 3分ほどで演説を終えたBから声がかかる。

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