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02 経済学っぽく社会を考える、勉強本リストはこれだ!

「経済」×「X」で現代が見える。

2009年8月11日(火)

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 「自分の頭で考えろ」とはよく聞く言葉です。そして不況の中、格差は、教育は、年金は、と、さまざまな問題があふれています。選挙を前に、自分の頭で考えてみたい。しかし、まず何をどう考えたらいいのか。専門家の意見を参照して、と思っても、その専門家を信じていい理由がどこにあるのか。、かえって、人柄とか、話し方とか、属人的なものや、言葉の美しさなどの感情で、うっかり一票を投じたりしかねません。

 そんな中、前回お話ししたように、『経済成長って何で必要なんだろう?』(光文社)を読み、さまざまな知を生活にもっと身近に展開していこう、という目的意識と、「経済」の視点で社会問題に座標軸を与えようという発想に刺激され、編集した芹沢一也さんと荻上チキさん(現状、このおふたりのユニットが「シノドス」)、そして「経済」ツールの使い手、飯田泰之(駒澤大学准教授)さんにお話を伺いに行きました。

 そこでお三方に、いま「経済」×「社会問題」を考える上で読んでおきたい本を選んで下さい、とお願いし、テーマ別にまとめたのが今回のリストです。自分自身の考えを持ち、議論のテーブルに着くために、これらの本を読んで、「自分で考える」ための視点を手に入れようではありませんか!

リアル書店、有隣堂ヨドバシAKIBA店でフェア開催中!

 なお、この企画に大変興味を持って下さいました有隣堂ヨドバシAKIBA店さんが、本日(8月13日)から1カ月の予定で「シノドス×日経ビジネスオンライン」のブックフェア、『「経済」×「X」で現代が見える』を開催してくださいます。

 売り場では、ここにご紹介した選書リストの本を一度にお読みいただけます。ぜひお越し下さい。お店はこちらです。

(文:日経ビジネスオンライン編集委員 Y)

選者プロフィール

芹沢 一也(せりざわ かずや)
1968年東京生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。シノドス代表。専門は近代日本思想史、現代社会論。犯罪や狂気をめぐる歴史と現代社会との関わりを思想史的、社会学的に読み解いている。著書に『<法>から解放される権力』(新曜社)。『狂気と犯罪』『ホラーハウス社会』(ともに講談社+α新書)、『暴走するセキュリティ』(洋泉社新書)、浜井浩一との共著に『犯罪不安社会』(光文社新書)、編著に『時代がつくる「狂気」』(朝日選書)。高桑和己との共編著に『フーコーの後で』(慶應義塾大学出版会)。監修に『革命待望!』(ポプラ社)。

荻上 チキ(おぎうえ ちき)
1981年兵庫県生まれ。東京大学情報学環境修士課程修了。専門はテクスト論、メディア論。著書に『ウェブ炎上』(ちくま新書)、『12歳からのインターネット』(ミシマ社)、『ネットいじめ』(PHP新書)、共著に『バックラッシュ!』(双風舎)がある。人文社会科学系を中心にネットで話題のニュースやトピックを紹介するウェブサイト「トラカレ!」、「荻上式BLOG」主宰。

飯田 泰之(いいだ やすゆき)
1975年東京生まれ。エコノミスト。東京大学経済学部卒業、同大学博士課程単位取得退学。現在は駒澤大学経済学部准教授。内閣府・参議院・財務省等にて客員を歴任。専門は経済政策、マクロ経済学。主著に『経済学思考の技術』(ダイヤモンド社)、『ダメな議論』(ちくま新書)、『考える技術としての統計学』(NHKブックス)、『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社。第47回日経・経済図書文化賞受賞)など。ブログは「こら!たまには研究しろ!!

Part1:ツールとしての「経済学」を知ろう

【経済学と現実社会の「橋渡し」】

  • 『経済成長って何で必要なんだろう?』芹沢一也、荻上チキ編、飯田泰之、岡田靖、赤木智宏、湯浅誠
    光文社(2009年6月刊)
  • 『日本を変える「知」』芹沢一也、荻上チキ編、飯田泰之、鈴木謙介、橋本努、本田由紀、吉田徹 
    光文社(2009年5月刊)

(※このページの以下は、前回の再編集です。既にお読みの方は飯田先生による「経済学」への入り方へ直接どうぞ!)

芹沢 たとえば「若者と雇用」で議論をするとしますよね。まずは、日本が高度成長以来つくってきた社会システムが壊れつつある、そうした中で若者を中心に貧困が広まっている、という話になる。では、いったい何がいけなかったんだ? と議論すると、要するに新自由主義経済だ、市場原理主義だ、あるいは小泉構造改革だという話に……

――目に見えるようです。そこまですーっといきますよね。

芹沢 人文・社会学系のお決まりのストーリーにばっちり乗ってくるわけですね。じゃあ、新自由主義って何だ、どういう思想なんだと。そこを深めるためにセミナーを重ねると、だいたい同じ議論になってくる。

――どんな議論なんでしょう。

芹沢 世界的に戦後、ケインズ主義的な発想に基づいてつくられた福祉国家が、オイルショック以降行き詰まるなか、ハイエクの思想を背景にしたサッチャー、あるいはレーガンの新自由主義改革によって壊されていった。それが日本の場合、20年ほど遅れて起こっている。そして、日本でも、小泉構造改革によって、イギリスやアメリカと同じように、格差と貧困が広がっていると。

――たしかにそういう物語になりがちです。本を読んでたどり着くのもだいたいその辺ですね。

芹沢 こうしたストーリーにはさまざまな問題があるのですが、それは置いておいたとして、「じゃあ、どうするの?」という話になったときに、人文・社会学系って何というか、言葉は悪いですが、しょぼい結論しか出てこないんですよ。

――しょぼいと言いますと?

芹沢 まあ、「連帯は大切だよね」とか。「非正規雇用の人たちも大変だ、だけど正社員も大変だ。お互いに手をつなげば世の中を変えていけるんじゃないか」。そういう人間の善性というか、よき心に訴えかけて、社会を仲良く変えていきましょうみたいな発想。コミューン的な思考を持ち上げてみたり。

――間違ってはいないし、正面からそういわれると否定もできません。

芹沢 そう。その考えを否定するつもりはまったくありません。でも、現実の問題解決には、善性に期待するだけでは、あまりに無力だとも思うわけです。

 飯田さんのいう経済学思考は、社会問題を考えるときに非常に有効だと思いました。『経済成長って何で必要なんだろう?』の中で、「田舎に住むことの是非」や「学校をバリアフリーにすることの是非」について話していますね。人文・社会学系の人間は、そこで生活権や人権、生命の価値などといった方向から議論を組み立て行くんです。

 それに対して飯田さんは、まずそうした価値論争をする前に、コスト計算や保険的な思考によって、実現可能性や正当性を検討しておく必要があるというわけですね。

――生命の価値、人権ももちろん重要な視点だけれど。

芹沢 ええ、もろちん。それに加えて、経済合理性の視点も不可欠だということですね。

――では、続いて飯田先生から「経済学」への入り方をお聞きします。

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