• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

役目は終えた? 国交省の胆いり「官民ファンド」

REIT救済も、事態は収拾の方向へ

  • 高橋 篤史

バックナンバー

2009年8月18日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 国土交通省が主導するREIT(不動産投資信託)救済のための官民ファンドが動き出した。9月中をメドとするファンド組成に先立ち、野村證券を窓口にエクイティ部分の出資者集めが先週から始まった模様だ。最終的な規模が3000億~5000億円にもなるとされる異例のファンドは、業界再編をも睨んだ野心的な試み。しかし、金融情勢の好転で出番は意外と少ないかも知れない。

 正式名称「不動産市場安定化ファンド」は、国交省不動産業課が事務局となり、不動産会社幹部や弁護士、公認会計士らによる検討委員会が6月末から議論を進めてきたもの。もともとの出発点は4月10日に政府が公表した「経済危機対策」。そこで、官民一体となったファンドによるREITへの資金供給が項目に盛り込まれた。

囁かれる国交省のREIT“不倒神話”

 ファンドの“根っこ”に当たるエクイティ部分は、不動産業界を中心に出資を募る投資事業有限責任組合で、全体の調達額の7%。中2階のメザニン部分は日本政策投資銀行が劣後ローンを引き受け、全体の13%を占める。さらに全体の80%を占めるシニア部分は民間金融機関からの借り入れによって賄う。官民ファンドとは言うものの、「官」の資金はメザニンの供与だけだ。

 ファンドは今年12月までに500億円、さらに来年3月までに1000億円の規模を目指し、最終的には最大5000億円という大型規模になるとされる。REITが発行する投資法人債(企業の社債に相当)のリファイナンス資金を供給し、存続期間は約5年半を予定。借入金のロールオーバーに比べ、投資法人債の償還資金はニューマネーに当たるため、REITによっては調達交渉が難航する傾向にある。そこを官民ファンドで支援しようというのが最大の眼目だ。

 昨年来、不動産業界では新興企業を中心に大型破綻が相次ぐ。そうした中、なぜ国交省はこれほどREITに肩入れするのか。

 「REITは取引所に上場しており、不動産の購入・処分価格が広く公表されている。優良物件が投げ売りされ、それが公表されると、負のスパイラルが起き、不動産市場全体への影響が大きい」

 国交省は今回のファンド創設の理由についてそう説明する。なるほど、それなりの理由付けにはなっているが、額面通りに受け取れない側面もある。

 REITの投資口(企業の株式に相当)は証券取引所に上場するれっきとした金融商品で、当然、金融庁や証券取引等監視委員会の監督下にある。ただ、REITそのものは国交省の肝いりで日本に導入された。そのため国交省の威光を背景とした“不倒神話”が当初から囁かれていた。

 ところが、昨年10月に外資系のニューシティ・レジデンス投資法人が借入金のリファイナンスに行き詰まり、民事再生法の適用を申請。業界初の経営破綻が発生したことで“不倒神話”は一転して大きく揺らいだ。今回の救済策は、国交省が面子と縄張りを守るため、躍起になって急ごしらえしたものと受け取れなくもない。「国交省はREITを潰させない」――。実際、貸し手である銀行などは、今回の救済策をそう受け取っている。

 第三者委員会による議論を経ているとはいえ、ファンド構想は国交省サイドがほとんどお膳立てした。検討委員会が始まった当初からファンドは投資法人債問題を焦点にしており、3回の会合を経ただけで骨格がまとまった。9月上旬までに開く最終会合での承認を待たず、すでに出資集めが始まり、ファンド運営会社も日本政策投資銀行と野村ホールディングスの共同出資会社に決まった。

コメント1

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長