「ニュースを斬る」

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2009年8月21日(金)

インターネットなしで選挙は戦える?

Let technology unleash democracy

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 バラク・オバマ氏の選挙活動の序盤、彼のスピーチに感銘を受けた私は、寄付金を送りたいと思った。そして、オバマ氏のウェブサイトにアクセスし、クレジットカードで決済をした。たった2分で私の寄付活動は完結した。

 これは20カ月ほど前の話だ。今でもオバマ大統領の仕事について進捗を伝えるメールマガジンが、週に3、4本は送られて来る。

 また、今でも大統領の医療保険制度改革を支持するメールを地元の議員宛に送ってほしいとか、地元での会合に参加してくれという依頼が来ることもあるし、メディアの報道をしっかり見るようにということも言ってくる。私は政治活動家でもなんでもないのだが、インターネットを駆使したオバマ大統領の活動は、目が離せないほど興味深い。

 日本では、8月18日の衆院選公示後、候補者のウェブサイトやメール、その他のインターネットを使った活動は法律で規制される。高度なテクノロジーを有する国にこのような法律があることは興味深いことだ。この機会に、他国でインターネットが政治に与えた良い影響について考えてみてはどうだろう。

紙一重の勝利をもたらしたのは投票を促す携帯メール

 オバマ大統領が行った2008年の選挙戦は、候補者はどのようにインターネットを使うべきかを考えるうえで革命を起こした。オバマ大統領は、当時ヒラリー・クリントン色に染まっていた民主党の公式団体を追い越すための手段としてインターネットを位置づけていた。

 ネットでの動画配信やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ブログ、携帯電話へのテキストメッセージ送信などが、それまで政治にかかわりのなかった人たちにも浸透し、支持層を確立していったのだ。

 序盤の予備選挙でオバマ氏は、有権者に投票に行くよう促す携帯メールを送った。そこには、最寄りの投票所がどこかを問い合わせるための電話番号も一緒に記されていた。こうすることで、有権者が投票に行かない理由を徹底的に取り払おうとしたのだ。彼の予備選挙での勝利は紙一重のものが大半だったことを考えると、こういった努力の価値は計り知れない。

 選挙戦が続くにつれ、ネットの使い方は洗練されていったが、同時に、お祭り騒ぎのような、ばかばかしい騒動もたくさん見られるようになったのも事実だ。

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著者プロフィール

フィリップ・デルヴス・ブロートン(Philip Delves Broughton)

フィリップ・デルヴス・ブロートンバングラデシュ生まれの英国育ち。1994年オックスフォード大学ニューカレッジを卒業、2006年にハーバードビジネススクールでMBA取得。デーリー・テレグラフの記者としてニューヨーク、パリに勤務。現在は、フリーのジャーナリストとしてフィナンシャル・タイムズなどに寄稿している。近著は『ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場』(日経BP)。

関谷 英里子(せきや・えりこ)

関谷 英里子日本通訳サービス主宰。アル・ゴア米元副大統領やマインドマップ開発者のトニー・ブザン氏など一流講演家の同時通訳者。慶応義塾大学経済学部卒業後、伊藤忠商事のブランドマーケティング、日本ロレアルのプロダクトマネジメントの現場で日本語・英語での事業提携交渉やプレゼンテーションの第一線を担い、その後独立。現在通訳者、翻訳家として活躍。著書に一流講演家のプレゼンテーション術を記した『なぜあの人の話に、みんなが耳を傾けるのか』(明日香出版社)。


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