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「極貧ブルース」が聞こえる

米国境線、仕事をもらえぬ不法移民物語

  • 加藤 靖子

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2009年8月24日(月)

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急増してきた米国の不法移民が、不況を機についに減少に転じた。
そしてメキシコの村には、「過酷な現実」が広がっている。
「移民の国」の成長モデル崩壊を、オバマは止められるのか。


 米南部のテキサス州ダラス近郊の町、プレーノ。昼下がりの日雇い小屋は、灼熱の太陽を浴びていた。

 その前に、トラックが止まると、仕事を終えたヒスパニック(スペイン語系米国住民)の若い男が降ろされた。だぶだぶのジーンズは泥にまみれ、背負っているリュックは使い古されて色あせている。

くしゃくしゃになった数枚のドル札

 男は振り返ってカネを受け取ると、表情を曇らせた。

 「話が違うじゃないか」

米テキサス州の日雇い小屋は今年になって求人が激減し、集まってきた不法労働者はあきらめ顔
画像のクリックで拡大表示

 クルマの運転席の窓にしがみついて、つたない英語で訴えた。左手には、くしゃくしゃになった数枚のドル札が握りしめられている。

 「これじゃあ生活できないよ」

 運転席の黒いサングラスをかけた白人は、うんざりした表情を作った。

 「払えるのはこれだけだ。いらないのか?」

 そう言うと、アクセルを踏んだ。男はクルマに引きずられながら訴えたが、ついに振り落とされた。砂埃が舞い上がる。高熱で歪んだテキサスの大地に、クルマが消えていく。

 男がうなだれて、とぼとぼと小屋に戻ってきた。だが、50人ほどの労働者は、誰も彼に話しかけようとしない。

不法移民250~300人に求人は20~30人分

 小屋の柱にもたれかかっていたカルロス・ブラエウは、こうつぶやいた。

 「仕事にありついただけでも、ましな方だからな」

米テキサス州ダラス近郊の日雇い小屋には、早朝から不法移民が仕事を求めて溢れ返る
画像のクリックで拡大表示

 カルロスは早朝6時過ぎに、この小屋にやってきた。だが、待てど暮らせど仕事が回ってこない。メキシコ出身の不法移民で、英語こそ片言しか話せないが、建設現場からゴミ処理、厨房まで、様々な職種をこなせる。職さえあれば、いい仕事をする自信はある。

 しかし、昨年来の不況によって、この日雇い小屋の状況は急変した。職を求める不法移民が1日に250~300人も集まってくるが、求人は1日20~30人分しかない。

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