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欧州の景気底入れは幻想

急増する不良債権、刺激策も息切れ間近

2009年8月25日(火)

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 ドイツが景気後退局面からいち早く抜け出した――。8月13日に発表された欧州の実質GDP(国内総生産)成長率は、大方のエコノミストや政府関係者の予想を覆した。4~6月期、域内最大の経済大国、ドイツのGDPが前期比で0.3%増に転じたのである。

 日本と同様、輸出依存のドイツ経済の回復は、主な輸出先である英国や米国の内需が安定的に回復し始めた後になると見られていた。ところが、米英のGDPが依然としてマイナス成長を続ける中、独政府による自動車の買い替え促進策や中国における内需の伸びが、想定以上に寄与したようだ。

銀行で貸倒引当金が急増

 だが、想定外のドイツの成長率だけ見ては、今後の欧州景気を見誤る。そもそもドイツとともにプラス成長に転じたのはフランスだけ。欧州連合(EU)全体で見れば0.3%のマイナス成長である。ドイツ銀行協会のアンドレアス・シュミッツ会長が英フィナンシャル・タイムズのインタビューで、「今後、信用収縮が起きるリスクはある」と警鐘を鳴らすなど、楽観できる状態ではない。

主な欧州銀の貸倒引当金などの増加率(2009年上期の前年同期比)

 景気回復に向けて綱渡りの状況は、欧州の銀行決算からも見て取れる。株式市場の回復などが投資銀行部門の業績を底上げし、2009年上期(1~6月)に前年同期比で増益に転じた銀行もある。ドイツ銀行はその典型で、純利益は前年同期比で4倍強だった。

 一方で、不良債権の激増が懸念材料となってきた。住宅ローンの滞納や企業倒産の増加などが原因だ。不良債権の増加に伴う貸倒引当金を調べると、この上期、前年同期比でドイツ銀行は約6倍に膨れ上がっている。

 他の欧州各行でも、上期の貸倒引当金の増加が業績の足を引っ張る。前年同期比で見ると、不動産バブル崩壊の後遺症にあえぐ英国のロイズ・バンキング・グループで約5倍。中・東欧諸国への貸し出しが多いオーストリアのライファイゼンで約5倍となっている。

 さらに、不動産バブルの崩壊が特に深刻なアイルランドのアライド・アイリッシュ銀行では、約17倍。国家破綻の懸念がくすぶるラトビアなど、バルト3国への貸し出しが多いスウェーデンのスウェド銀行では、約19倍にも達している。

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「欧州の景気底入れは幻想」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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