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意外と知られてない?公的年金の支給開始年齢の繰り上げ・繰り下げ

再確認 公的年金の保険料と受給額

  • 伊藤 亮太

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2009年8月28日(金)

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第1回の要旨
 最近、格差社会という用語をよく見たり聞いたりする。日本においても経済格差をはじめ、様々な点において格差が指摘されている。しかしながら、それらの格差の中には許容できる格差も多いといえる。つまり、格差があるからといって不公平とは一概には言えないのである。それでは公的年金についてはどうか。公的年金も世代間の格差はある。果たしてそれは不公平と言い切れるのであろうか。

第2回の要旨
 現行の公的年金制度においても、老齢給付以外に障害給付や遺族に対する給付など、私的年金や保険ではそれらすべてをまかなうことができない大変良い役割を果たしている面があることをおさえると同時に、制度を維持・改革するためには消費税増税が不可避であり、増税時期を決める議論をすべきであると説く。

■第3回の要旨
 現行の公的年金制度では、マクロ経済スライドが導入されているため、将来的な負担と給付のバランス調整をとることが可能となっている。つまり、保険料は将来的に上限が固定され、給付も抑制される仕組みが整えられているのである。この公的年金には税金がかかることや繰り上げや繰り下げが可能なこともおさえておきたい。

■第4回の要旨
 現行の公的年金制度には、メリットもあるもののデメリットも多く指摘されている。しかしながら、問題点の中には見方を変えれば違った考え方ができるものもある。誤解が公的年金に対する不信感・不安感を招いているおそれがある点を指摘し、今後対処すべき問題点について整理する。


 今回は公的年金の保険料や受給額が一体どれくらいなのか、といったお金に関する話をする。その後で、年金にも税金がかかる話をしたいと思う。また、公的年金は支給開始年齢の繰り上げや繰り下げが可能といった意外と知られていない制度をご紹介したいと思う。

公的年金の再確認。まずは国民年金保険から

 まずは国民年金について。国民年金の保険料は定額であり、平成21年度における保険料は月額1万4660円となっている。年齢や性別、収入による差がないのが特徴である。

 平成17年度以降、原則として毎年280円ずつ保険料が引き上げられ、平成29(2017)年度以降は月額1万6900円で固定される予定である。平成16年度年金制度改正により、この保険料の引き上げと引き上げ限度額が決定され、保険料負担の上昇に歯止めをかけることが可能となった。

 また、国民年金(老齢基礎年金)の給付額は、20歳から60歳まで40年間保険料を全額支払った人において年額79万2100円(平成21年度)となっている。通常は65歳から受給できることとなる。ただし、保険料の免除を受けていたり、未納期間がある場合には減額がなされることとなる。要は、支払った期間が40年間に足りていなければ満額はもらえないのである。

 この給付額については、過去においては物価の上昇率に対応して決定されていたものの、平成17年度からは、経済全体の総賃金(労働者1人あたりの平均賃金×労働力人口)の伸び率にあわせて調整する仕組みに変わることとなった。この仕組みをマクロ経済スライドと呼んでおり、簡単にいえば労働力人口の減少や平均余命の延びを、毎年度の年金額の改定率から減じる仕組みである。

 物価や賃金の上昇率よりも低く抑えた上昇率で年金額を再計算することになるため、給付水準を一定水準にまで引き下げる効果をもつ。国民年金、厚生年金いずれにも共通してこのマクロ経済スライドが導入されることとなり、これによって給付面においても抑制が可能となり、将来的な負担と給付のバランスの調整をとることができるようになったのである。

 ちなみに、国民年金の給付条件として、原則として25年以上の受給資格期間(加入期間)がないと年金を受け取ることができないこととなっている。つまり、原則として保険料を通算して25年以上支払っていない場合には年金がもらえない仕組みとなっている。

 この加入期間については、他の先進各国と比較してもはっきりいって長い。そのため、今まで保険料を払ってきていなかった人たちが将来に備えて支払おうと思った頃には、加入期間が短くなってしまう、もしくは加入期間が不足して年金がもらえない状況に陥る可能性もある。

 支払ってこなかった人たちが悪いといってしまえばそれまでだが、受給資格期間を例えば10年にするなどの措置が取られてもよいかもしれない。

主要各国の年金制度
  年金制度への加入対象者 老齢年金の受給要件
被用者 自営業者 無業の人 受給開始年齢 最低加入期間
日本 加入義務あり 加入義務あり 加入義務あり(20歳~) 65歳(国民年金)
60歳(厚生年金保険)
25年
ドイツ 加入義務あり 職種により、加入義務あり 加入義務なし 65歳 5年
イギリス 所得により、加入義務あり 所得により、加入義務あり 加入義務なし 男性65歳
女性60歳
男性11年
女性9.75年
韓国 加入義務あり 加入義務あり 加入義務あり(27歳~) 60歳 10年
アメリカ 加入義務あり 所得により、加入義務あり 加入義務なし 65歳(※1) 10年
ベルギー 加入義務あり 加入義務あり 加入義務なし 男性65歳(※2)
女性64歳(※2、※3)
なし
フランス 加入義務あり 職種により、加入義務あり 加入義務なし 60歳 なし

※1 2027年までに、受給開始年齢を65歳から67歳へ段階的に引き上げ中
※2 在職期間が35年を超える場合、60歳からの受給が可能
※3 2007年時点(2009年までに、女性の受給開始年齢を65歳まで段階的に引き上げ中)
(出所)社会保険庁ホームページ

厚生年金のポイントは負担のところ

 次に厚生年金について。厚生年金の保険料は、毎月支払われる給料をもとに標準報酬月額という年金保険料を計算する上での仮の報酬を決定し、それに保険料率を掛け合わせることで計算される。

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