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米子のどらやき、世界の茶の間を席巻

「近ごろ、餡子は苦手という若者が多いのは、ちいさいころ、美味しい餡子菓子を食べなかったせいです」

  • 宮嶋 康彦

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2009年8月28日(金)

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 三たび、餡子の話である。四半世紀前から、たい焼きの魚拓を採取するなど、鯛型の餡菓子に執心してきたことは当コラムなどで、2度にわたって書かせてもらった。このたびは、その餡子の縁で「どらやきのまち」を訪ねることになった。

 鳥取県米子市に本社を持つ丸京製菓は、単一工場で製造されるどらやきの生産量が日本一とされる。国内と海外15都市に年間1億3000万個を出荷、市の関係者は「日本一ということは、世界一ということです」と手放しで称賛する。そこで同社は、どらやきを米子の新しい名物にするため「どらやきのまち」を宣言したのだ。

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 じつは、鳥取県には、天然物のたい焼き(7月31日付けの本欄に詳しい)を焼く店が4店ある。全国には、この旧式の焼き型で商売をする店舗は30軒に満たない。絶滅が危惧されるなか、鳥取県の占有率はきわめて高いということになる。

日本の餡子の良さは外国人に伝わるのか?

 たい焼きは、今から100年前に東京で発祥したという餡菓子である。「およげ!たいやきくん」の大流行に便乗して、一度に、3個、4個と焼くことができる焼き型が誕生、1個焼きの“天然物”は急速に姿を消していった。そのことを考えれば、無類のたい焼きファンとしては、鳥取の4店に、よくぞ生き残った、と拍手を贈りたくなるのも無理からぬこと。

 その理由を探っていくと、優れた製餡会社の存在が浮上する。たい焼きはまちがいなく餡子が命の餡菓子である。

 どらやきも同様だ。餡が要のお菓子。今でこそ、栗入りやカスタードクリーム入りなどが作られているが、発祥当時(大正時代、東京上野の「うさぎや」が「三笠山」を考案したのが最初といわれている)のどらやきは、カステラ風の生地が小豆餡を挟んでいたという。ちなみに、どらやきという名称は、打楽器の「銅鑼」に由来するという説が有力とされている。

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 どらやき日本一の丸京製菓にしても、優れた製餡所と二人三脚をしながら、売上高32億円(2009年7月期)を稼ぎ出す会社に成長してきたのである。たい焼きは目出度い鯛を表わし、小豆は古来、邪気を払う食品として崇められてきた。たい焼きもどらやきも、日本の「ハレ」の文化を背景にした、鬼に金棒のお菓子ということになる。つくづく、日本人と餡子のえにしの深さに唸ってしまう。

 こうした、日の本の餡子の文化は外国人にはわかるまい、と思っていたら、丸京製菓は10年も前から、どらやきを海外へ進出させていた。

コメント6件コメント/レビュー

鳥取県民として米子市の会社が取り上げられたことを嬉しく思います。鳥取の和菓子はあまり有名ではないと思っていましたが、おいしい餡を作るところがあったのですね。地元のことをもっと良く知らなくちゃ、と思いました。(2009/08/28)

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いただいたコメント

鳥取県民として米子市の会社が取り上げられたことを嬉しく思います。鳥取の和菓子はあまり有名ではないと思っていましたが、おいしい餡を作るところがあったのですね。地元のことをもっと良く知らなくちゃ、と思いました。(2009/08/28)

私は甘党ですが、洋モノのケーキ類よりも和モノの小豆(あずき)のおはぎや最中やどらやき(三笠山)や大福が好きです。 それぞれ好きな銘柄があります。欧米人は”あんこもの”は食べないとおっしゃってますが、大福が好きな欧米人も結構いますよ。ただアジアの食物に対する偏見とか、味に馴染みがないだけではないでしょうか?お鮨(寿司)だって以前は生の魚をそのままムシャムシャ食べるみたいな“野蛮”なイメージが強かったけど、今ではトレンディで洗練された食事のイメージに様変わりしました。大福やドラ焼き、最中、おはぎなどのアンコものが世界中の人々の好物になる日を夢見て、待っています。この業界の世界雄飛と発展を期待します!!!(2009/08/28)

鳥取県米子市を紹介してくださってありがとうございます。米子に住むものとして嬉しいです。これも8月29日から9月7日まで丸京製菓市民ギャラリーで「たい焼きの魚拓展」を開催して下さるからでしょう。国立公園大山と日本海につながる美保湾に守られた米子市です。たい焼きが日本で生まれて100年のこの年、米子市民も一緒にお祝いします。(2009/08/28)

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