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脱官僚で公共工事にも「質」の視点を

競争原理を否定せず福祉国家の実現ができるか

2009年9月1日(火)

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 自公政権の崩壊は、経済システムを非競争的なそれから競争的なそれへと急速に舵を切った小泉改革に出発点があったといえる。

 競争は単純化、極端化され、あらゆる議論が善悪二元論の構図で議論されるようになった。それはまさに、「羅針盤なき競争主義」だった。その反動も同様だった。「ワーキング・プア」「格差社会」といった言葉が躍るようになった頃から、このような羅針盤なき競争主義への反省が盛んになされるようになった。

 しかし、その反省においても単純化、極端化、善悪二元論の構図には変わりはなかった。自公政権は慌てて修正主義に走った。消費者庁設立はその最たるものである。

 羅針盤なき競争主義を推進した自公政権は、その反省においても明確なロードマップを示すことができなかった。民主党政権の課題は、競争を否定することではなく競争に羅針盤を与えることである。

 競争に羅針盤を与えることで市場を活性化し、社会的要請に適応できる企業が成長するような環境作りを行うことだ。単純化、極端化、二元論化された競争像を、個人、そして企業のリアルな営みとしての競争像として捉え直し、表面的な競争の有無ではなく、「競争の質」を追及する諸政策を実現することが求められるのである。

画一的で硬直的だったこれまでの競争政策

 「競争の質」の重視の経済運営における最重要課題のひとつは、競争政策である。2001年5月、小泉純一郎首相(当時)は所信表明演説で「市場の番人たる公正取引委員会の体制を強化し、二十一世紀にふさわしい競争政策を確立します」と謳い、独禁法適用の積極化、競争政策の強化を約束した。

 その後、他社顧客を自社顧客よりも安く価格設定する拡販行為が違反とされたUSEN事件、累進的リベートが違反とされたインテル事件、音楽著作権使用料の包括徴収が違反とされたJASRAC事件と、効率性に基づく経済活動の範囲を超えるとは言い切れない私的独占事件が相次いだ。

 たとえ健全な競い合いであっても支配的企業(第1位の企業)がその地位を維持・強化することを避け、弱い立場の業者(2位以下の企業)、新規参入業者を積極的に保護しようという平等志向の政策なのか、そうではなく、良質廉価な商品やサービスを提供することを促すことで市場に活力を与え、顧客満足を高めようという本来的な競争政策を求めているのか、これらの事件を見てもはっきりしない。

 このような曖昧な政策が進められる中で、今年の独禁法改正で上記のような(排除型)私的独占に課徴金が科されることになったのである。それも、違反が認められれば課徴金額算定において(悪質性、重大性に応じた柔軟な増減という意味での)裁量性のない、画一的、硬直的な制度となっている。これでは、社会的要請に応じようと努力する健全な企業が、積極的な競い合いを躊躇する結果を招きかねない。

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