• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

官僚主導の「法令遵守」からの脱却

真価が問われる「社会的要請への適応」としてのコンプライアンス

  • 郷原 信郎

バックナンバー

2009年9月2日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2009年衆議院総選挙は民主党の圧勝に終わり、民主党を中心とする政権が誕生することが確実となった。その背景にあるのは、この国の社会、経済への国民の「絶望感」に近い危機感と、それをもたらした自民党中心の政権への決定的な不信感である。

国民が求めたchange

 バブル経済の崩壊によって、高度経済成長を支えた戦後の社会・経済システムは終焉し、旧来のシステムを背景とする政官業をめぐる不祥事・スキャンダルが多発した。しかし、官僚主導の戦後経済体制と一体化した自民党中心の政治体制の必死の延命が図られた結果、社会・経済の新たなパラダイムの構築は大幅に遅れた。

 将来に対する漠然とした不安感と閉塞感に包まれたまま21世紀を迎え、その直後に「自民党をぶっ壊す」という刺激的なスローガンを掲げて登場した小泉政権に多くの国民が期待した。しかし、結局、「天下り」に象徴される官僚の既得権益と「世襲」に象徴される政治の既得権益は温存され、ぶっ壊されたのは国民の生活と仕事の方だった。

 裏切られた国民の期待の「残滓」として残された衆議院の圧倒的多数の議席にしがみつきながら、1年毎に首相交代を繰り返した自民党に対する国民の不信が極限まで高まったことが、今回の選挙で、国民が、従来の政権とはまったく異なった民主党政権を選択し、308議席という圧倒的多数による政権運営のパワーを与えることにつながった。

 国民は、将来に希望の見えない日本社会の現状の下で、政権交代というchangeに唯一の望みを託した。マニフェストに掲げた政策の財源が不確かだったり、内容が二転三転したりしても、多くの国民が民主党に投票した。様々な政見・立場の政治家の寄せ集めであること、現時点での「政権担当能力」が官僚と一体となった従来の自公政権との比較では未知数であることなど、問題を十分に認識した上で、敢えて民主党政権を選択した。だからこそ、自民党のネガティブキャンペーンは、民主党への追い風にまったく影響しないどころか、かえって自民党の支持を一層低下させるだけに終わった。

 こうして変化を求める国民の意思に基づいて政権を担当することになった民主党に求められているのは、マニフェストの具体的項目を形式的、短期的に実行することではない。その根底にある「開かれた透明で公正な市民主導の社会」の理念の実現に向けて、持続可能な政権の形を構築することである。従来の「政官業」の癒着構造から脱却し、消費者利益の確保、国民生活の向上に向けて経済を活性化できるよう、官民の健全な協力に支えられた「全員参加型」の政治・社会・経済システムを実現することである。

新政権の理念と「法令遵守」からの脱却

 筆者は、「社会的要請に適応すること」が真のコンプライアンスであると主張し、その観点から、民主党に対しても、独占禁止法、金融商品取引法、消費者関連法など企業活動に重要な影響を及ぼす法分野に関して助言を行い、国会の場でも参考人として意見陳述を行ってきた。2006年2月の衆議院予算委員会公聴会では民主党推薦の公述人として、「法令遵守」から脱却して「社会的要請への適応」としてのコンプライアンスの観点から経済法制を再構築すべきとの意見を述べた。

 その延長上で民主党政権の企業関連政策を考えるとすれば、基本的な方向性は、官僚主導の「法令遵守」中心の枠組みから、社会的要請に応え、消費者利益を確保することに向けての企業の自主的、自律的コンプライアンス重視の枠組みに転換することであろう。

コメント9件コメント/レビュー

国民はCHANGEを望んだ。政権の交代により何を求めたのかこの筆者は検事上がりで良く分かってない。 官僚主導の法令順守から云々は筋違いである。あくまでも法令順守又それ以前のコンプライアンスは基本である。何が自民党長期政権に欠けていたかというと国民消費者の求めているルール作りに政治がリーダーシップが取れなかった事である。その事により変えて欲しいルール作りが出来なかった為巨大無駄社会が官僚機構に作られた。長妻議員が主張されているHATKAZを実施してもらえればCHANGEも成功である。子供手当などばらまきはどの政党でも出来る。(2009/09/20)

「2009年 政権交代」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

国民はCHANGEを望んだ。政権の交代により何を求めたのかこの筆者は検事上がりで良く分かってない。 官僚主導の法令順守から云々は筋違いである。あくまでも法令順守又それ以前のコンプライアンスは基本である。何が自民党長期政権に欠けていたかというと国民消費者の求めているルール作りに政治がリーダーシップが取れなかった事である。その事により変えて欲しいルール作りが出来なかった為巨大無駄社会が官僚機構に作られた。長妻議員が主張されているHATKAZを実施してもらえればCHANGEも成功である。子供手当などばらまきはどの政党でも出来る。(2009/09/20)

趣旨全て賛同いたします。日本の官僚は実務面では極めてすぐれた方多いと思いますので、政治家の方々が的確な指針を示して連携して行くことを望みます。特に技術開発やそのための施策、関連の制度化については、官僚の方々の専門知識や論理展開に引けを取らないだけの議員の人材育成を重要であると思います。余談かも知れませんが、官僚の方々は民間企業の研究者や技術者から構想と専門知識の引き出しに日々努力されていると思います。民主党に限らず、日本の政治家の方々が官僚の方々と同様の努力が出来るか、更に、専門知識や論理展開においてそのベースがあるのかどうかを多少の心配が残ります。(58歳 技術系)(2009/09/02)

官が諸悪の根源のような風潮に乗るのはいかがなものか?財界・政治家との癒着が、現代の差別社会をおおきくしたのではないか? 派遣業を公然と認め労働者の階層分解を激しくした現代こそ、雇用者としての企業のモラルが厳しく問われるべきだと思う。この視点が本レポートに欠如している。 現代社会でこれほどまでに労働者をいじめ尽した企業家・財界こそ、コンプライアンス以前の社会的役割のモラル欠如であろうと思う。 民主党もおごることなく、未来に豊かさ・幸せを感ずる事ができる社会形成に邁進してほしい。(2009/09/02)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

テスラのような会社と一緒にできないのなら、パナソニックはイノベーションを起こせないだろう。

津賀 一宏 パナソニック社長