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官僚主導の「法令遵守」からの脱却

真価が問われる「社会的要請への適応」としてのコンプライアンス

  • 郷原 信郎

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2009年9月2日(水)

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 2009年衆議院総選挙は民主党の圧勝に終わり、民主党を中心とする政権が誕生することが確実となった。その背景にあるのは、この国の社会、経済への国民の「絶望感」に近い危機感と、それをもたらした自民党中心の政権への決定的な不信感である。

国民が求めたchange

 バブル経済の崩壊によって、高度経済成長を支えた戦後の社会・経済システムは終焉し、旧来のシステムを背景とする政官業をめぐる不祥事・スキャンダルが多発した。しかし、官僚主導の戦後経済体制と一体化した自民党中心の政治体制の必死の延命が図られた結果、社会・経済の新たなパラダイムの構築は大幅に遅れた。

 将来に対する漠然とした不安感と閉塞感に包まれたまま21世紀を迎え、その直後に「自民党をぶっ壊す」という刺激的なスローガンを掲げて登場した小泉政権に多くの国民が期待した。しかし、結局、「天下り」に象徴される官僚の既得権益と「世襲」に象徴される政治の既得権益は温存され、ぶっ壊されたのは国民の生活と仕事の方だった。

 裏切られた国民の期待の「残滓」として残された衆議院の圧倒的多数の議席にしがみつきながら、1年毎に首相交代を繰り返した自民党に対する国民の不信が極限まで高まったことが、今回の選挙で、国民が、従来の政権とはまったく異なった民主党政権を選択し、308議席という圧倒的多数による政権運営のパワーを与えることにつながった。

 国民は、将来に希望の見えない日本社会の現状の下で、政権交代というchangeに唯一の望みを託した。マニフェストに掲げた政策の財源が不確かだったり、内容が二転三転したりしても、多くの国民が民主党に投票した。様々な政見・立場の政治家の寄せ集めであること、現時点での「政権担当能力」が官僚と一体となった従来の自公政権との比較では未知数であることなど、問題を十分に認識した上で、敢えて民主党政権を選択した。だからこそ、自民党のネガティブキャンペーンは、民主党への追い風にまったく影響しないどころか、かえって自民党の支持を一層低下させるだけに終わった。

 こうして変化を求める国民の意思に基づいて政権を担当することになった民主党に求められているのは、マニフェストの具体的項目を形式的、短期的に実行することではない。その根底にある「開かれた透明で公正な市民主導の社会」の理念の実現に向けて、持続可能な政権の形を構築することである。従来の「政官業」の癒着構造から脱却し、消費者利益の確保、国民生活の向上に向けて経済を活性化できるよう、官民の健全な協力に支えられた「全員参加型」の政治・社会・経済システムを実現することである。

新政権の理念と「法令遵守」からの脱却

 筆者は、「社会的要請に適応すること」が真のコンプライアンスであると主張し、その観点から、民主党に対しても、独占禁止法、金融商品取引法、消費者関連法など企業活動に重要な影響を及ぼす法分野に関して助言を行い、国会の場でも参考人として意見陳述を行ってきた。2006年2月の衆議院予算委員会公聴会では民主党推薦の公述人として、「法令遵守」から脱却して「社会的要請への適応」としてのコンプライアンスの観点から経済法制を再構築すべきとの意見を述べた。

 その延長上で民主党政権の企業関連政策を考えるとすれば、基本的な方向性は、官僚主導の「法令遵守」中心の枠組みから、社会的要請に応え、消費者利益を確保することに向けての企業の自主的、自律的コンプライアンス重視の枠組みに転換することであろう。

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