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チルドレン片山さつき、落選の意味

密着リポート「静岡7区」、無所属の城内実はなぜ勝ったか

2009年9月1日(火)

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 「結局、塩谷(立)さんしか残らなかったんだ、静岡の自民党の衆議院議員。本当にすごい結果ですね…」

 歴史的な政権交代が明らかとなって、数時間。衆院選の開票結果がほぼ出尽くし、日が変わった31日の午前1時過ぎ。死闘に破れ、燃え尽きた片山さつきは、意地で居残り続けた記者団を前に、つぶやいた。

閑散とした広大な事務所の片隅で

 テレビは代表取材で1回のみ。壇上で敗戦の弁を述べると、片山は支援者とともに早々にプレハブ小屋の2階の奥にこもってしまった。

 テレビ各局は既に撤収を始め、支援者の多くも帰路に着き、閑散とした広大な事務所の片隅で、後回しにされた紙媒体の記者は果たされるか否か分からない「囲み取材」のために、じっと待っていた。

 業を煮やして1人、また1人と記者が消えていく。午前1時を回ろうかという頃、スタッフの1人から「ペン記者のみ、片山が会うと言っています。カメラはすべてNGです」と告げられた。

 列をなして狭い階段を上がり、カメラを置き、奥の部屋へ進むと、消沈した面持ちの片山は、支援者と2人きりで声を殺しながら何かを話していた。その支援者が去ると、部屋は物々しい空気に包まれ、緊張の糸が記者団に張り詰める。そして、片山が口を開く。

落選が確定的になり、敗戦の弁を述べる片山さつき氏
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 「今、やっぱり、非常に地域性の強い選挙区なので、そこに浸透できるだけの組織が出来きらないうちに選挙になっちゃったねと。あれとあれが足りなかったねみたいな話を、みんなでしていました」

 「まあ、こういう逆風の選挙で戦うのであれば、非常に強固な後援会組織が必要なんですけれど、やっぱりうちはそれがまったく道半ばだったので、それが大きかったねと」

 「それはやっぱり私の努力不足だし、あそこまでいく力もなかったので、苦しかったねということかな。そう思います」

新自由主義と政権交代、2つの争点を包含した静岡7区

 全国的に吹き荒れた「民主の風」、いや「民主台風」といってもよい暴風は、なぜかその地域を避けて通過した。

 4年前の郵政選挙で「落下傘」にて降りた小泉チルドレンの片山、郵政民営化法案の造反組で4年前は彼女に苦杯を喫した無所属の城内実、そして民主党からプリンスのごとく現れた元NHKアナウンサーの斉木武志が三つ巴の死闘を繰り広げた、静岡7区である。

 結果は、13万票近くを得た城内の圧勝。片山は6万票にも及ばず、比例でも救われなかった。民主党の斉木も、約6万3000票と惨敗。だが、東海ブロックで46%の得票率を稼いだ比例代表区で、復活した。

物々しい片山さつき事務所とは対照的に、捲土重来を果たした
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城内実事務所は、終始、お祭りムードに包まれた
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 日本の憲政史上に残る結果となった第45回衆議院議員総選挙には、2つの争点が存在した。1つは、小泉的な新自由主義路線に則った政治改革の是非。もう1つは、政権交代である。

 小泉チルドレン、造反組、そして民主党という3候補が揃った静岡7区は、まさに今回の選挙を象徴する選挙区として、公示前から全国的に注目されていた。その選挙区に住まう有権者が出した答えは、小泉でも民主党でもない。その意味は、重く大きい。

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「チルドレン片山さつき、落選の意味」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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