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【技術フロンティア】世界初、“揺れない”ビル

建物の免震・制震技術~大林組、清水建設

  • 鈴木雅映子

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2009年9月8日(火)

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1000分の1秒ごとに建物を動かし、建物の揺れを抑える。震度5強の地震でも、床に立てた鉛筆が倒れないほどだ。従来よりも費用は高いが、医療や精密機械工場からの要望に応える。

 今夏、日本では地震が相次いだ。震度6弱を記録した8月11日の駿河湾沖を震源とする地震では、6000件を超える建物が半壊や一部損壊などの被害を受け、耐震技術の重要性を改めて認識させられた。

 地震で建物が揺れる。その常識に挑戦する1社が大林組だ。同社は「世界初の地震で揺れないビル」として、同社技術研究所の新本館棟を今年10月から施工する。

1000分の1秒毎の揺れ検出

 揺れないビルを実現に導いたのは、大林組が開発した「ラピュタ2D」という制御技術。最大の特徴は、信号に応じて物体を引いたり押したりするアクチュエーターで、地盤が揺れた分だけ建物を動かし、建物の位置を変えないということだ。

 地震が起きると、まずは地面に設置したセンサーが地震の加速度を測る。速度の変化が加速度で人は加速度を揺れとして感じるからだ。検出された加速度を基に、コンピューターで地盤が動く距離を計算。結果を送られたアクチュエーターは、地盤が動く距離だけ、建物を引いたり押したりする。揺れを検出してから、建物を動かすまでにかかる時間は約0.1秒。この作業を1000分の1秒ごとに行う。

 建物はゴムと金属を交互に組み合わせた積層ゴムで地面とつながっており、アクチュエーターの動きに反応しやすくなっている。

 アクチュエーターと積層ゴムの働きで、高さ2.6mの建物の模型を使った実験では、地震波の揺れを30分の1から50分の1にまで抑えることができた。震度5強の揺れでも、床に立てた鉛筆でさえ倒れない。

 大林組の構造技術研究部の勝俣英雄部長は、「設計次第では、震度6以上の地震でも同様の効果を発揮できる」と言う。新たに建設する研究所の新本館棟には、この装置を東西方向と南北方向に2台ずつ、計4台を設置する予定だ。

 ラピュタ2Dは従来の免震技術を応用した。これまでの免震ビルは、積層ゴムのみで揺れを抑えていた。積層ゴムは柔軟性が高く、ゴムの地面側が地盤とともに移動しても、建物側は地震前の位置に残ろうとする。

 これによって、建物の揺れを、地盤の揺れに対して、3分の1から5分の1にまで軽減できる。ただし、勝俣部長は、「医療の現場や精密機械の工場からは、さらなる高性能な免震技術を求める声が大きかった」と振り返る。

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