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経済成長は悪なのか?

「お気楽な国」、日本を嗤う欧米メディア

2009年9月4日(金)

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 「民主党の勝利で日本、新たな時代へ」(英フィナンシャル・タイムズ=FT)、「日本の野党、自民党に対し歴史的勝利」(米ウォールストリート ジャーナル=WSJ)──。欧米各紙は8月31日、政権選択が争点となった衆議院議員選挙で野党民主党が圧勝し、日本で初めて本格的な政権交代が実現したことを、オンラインのトップページや本紙1面でこう報じた。

衆議院議員選挙翌日の8月31日、欧米メディアはどこも1面トップで、民主党による政権交代を報じた

こぞって民主党に違和感

 では、今後政権を担うことになる民主党に対する期待が高いかと言えば、そうではないようだ。英エコノミスト誌は既に、8月22日号の記事の中で、「民主党はあまりに未熟で、準備不足に見える」と厳しい見方を示している。

 「日本経済が苦境に陥り、貧困層や格差が拡大したのは小泉純一郎元首相による改革のせいではない。格差の拡大傾向は、今年に入って深刻になったとはいえ、実は既に1990年代の『失われた10年』で始まっていた」と指摘し、格差問題のすべてを小泉改革に押しつけるかのような批判を展開する民主党や鳩山由紀夫代表の短絡的発想に疑問を呈している。

 米ニューズウィーク誌も8月31日号の記事で、2009年1~3月期の日本のGDP(国内総生産)が年率換算でマイナス11.7%と、先進国の中で最大の落ち込みを見せたことに触れながら、福祉強化を目指す民主党の状況認識の甘さを痛烈に批判した。

 「驚いたことに自民党に攻撃されるまで、民主党のマニフェスト(政権公約)には、『経済成長』の言葉さえなかった。これは、民主党が日本が直面する窮状を理解していないことを示している」

 さらに、気になるのは、欧米メディアの日本に対する見方に、一種の共通した「違和感」とも「呆れ」とも取れるトーンが垣間見えることだ。

 例えば前述のニューズウィーク誌の記事。「消えゆく日本:経済成長を口にしない次の(政治)リーダーたち」と題されたこの記事には、「日本のリーダーは一体、自らの将来をどう考えているのか理解に苦しむ」とでも言いたげな記者の苛立ちが行間にあふれている。

 「急ピッチで進む少子高齢化により、縮小の一途をたどる国内市場。思いもしなかったスピードで中国が政治、経済の両面で日本を凌駕しつつある中、経済力でしか存在感を示せなかった日本が、再び大国としての勢いを盛り返すには、新たな成長戦略により経済を軌道に乗せていくしかない」

 それにもかかわらず、「自民党の幹部も民主党の幹部も、この点についてあまり議論しようとしていない。彼らは中堅国としてやっていければそれで十分だ、と思っているのだ」と、皮肉たっぷりに記事を締めくくっている。

コメント33件コメント/レビュー

記事ではなく、複数のコメントに対するコメントです。「資本主義経済は成長し続けねば上手く回らない、破滅するのが常識」とは恐れ入りました。これでは、資本主義社会=ネズミ講、ということになります。これは、地球人口が拡大を続ける限り正しいかも知れませんが、少なくとも今後人口の減少が顕著な日本では成り立たない理屈です(だから海外進出、というのは一部ではあり得ますが、それは他国の犠牲の上にのみ成り立つ話です)。「成長」は「一人当たり」の値で考えるべき、とだけ改めて強調しておきたいと思います。(2009/09/17)

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「経済成長は悪なのか?」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

記事ではなく、複数のコメントに対するコメントです。「資本主義経済は成長し続けねば上手く回らない、破滅するのが常識」とは恐れ入りました。これでは、資本主義社会=ネズミ講、ということになります。これは、地球人口が拡大を続ける限り正しいかも知れませんが、少なくとも今後人口の減少が顕著な日本では成り立たない理屈です(だから海外進出、というのは一部ではあり得ますが、それは他国の犠牲の上にのみ成り立つ話です)。「成長」は「一人当たり」の値で考えるべき、とだけ改めて強調しておきたいと思います。(2009/09/17)

資本主義経済が常に拡大、成長し続けねば破滅する、と言うことは今更言うまでもない常識である。民主党も国民も其れを知らないわけではないだろう。ただ今日まで自民党がやって来た経済政策は、身の丈をはるかに超えた虚勢だった。その為とてつもない借金を重ね、寄生虫のごとき輩がヌクヌクと太ると言うことを許してきた。今此処で本当の体力を知り、身の丈にあった経済運営をするために本当の姿をさらけ出す必要がある。国内のムダだけではなく、例えば国連の分担金やIMFの拠出金なども身の丈にあった金額にすることも必要だろう。その為に日本の国際的地位が下がるなら其れも仕方がないと思う。寄生虫のごとき輩を一掃する為にもやらねばならないと思う。日本人は、自ら「革命」を起こさない。其れは、歴史的にもその通りだと思う。今回の政権交代が日本人的「革命」にならなければ、心ある国民は逃散するかも知れない。(2009/09/07)

財務省に洗脳されている日本人は、世界中の物笑いだ。日本のマスコミ、政治家、官僚は、なぜか純債務の額について一切言わない。日本政府は、借金の額は多いが、資産の額も欧米に比べて多いため、差し引きした純債務は、欧米並みである。アメリカやイタリアの方が、財政危機である。財務省が財政を黒字にするために、日本の経済を破綻させ、財政支出を削ることで、国民の生活を破壊している。そして、その事実をばらすものは、痴漢にされたりして、抹殺される。日経も載せる勇気はないだろう。(2009/09/06)

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三品 和広 神戸大学教授