• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

民主が投じる6つの「劇薬」

派遣法改正、CO2の25%削減・・・

  • 鷺森 弘,江村 英哲,大西 孝弘,小平 和良,鈴木 裕美,飯泉 梓,加藤 修平

バックナンバー

2009年9月4日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 民主党がマニフェスト(政権公約)を実行に移すと、産業界にはどれほどのインパクトが広がるのか。製造業派遣の禁止、CO2(二酸化炭素)の排出量25%削減、高速道路の無料化…。肝いりの政策には業界構造を根底から覆す“劇薬”も混じる。ヒト・モノ・カネの流れを変えそうな6つの注目政策の影響度を探ってみた。

製造業派遣の禁止
請負への転換加速 企業またぐ人材融通も

 宮城県岩沼市。2階建て工場の一角に設置された電子部品実装機を前に、4人の作業者が講師の話に耳を傾け、真剣にメモを取っていた。「先ほど入力したプログラムと、実際の寸法が合っているか、確かめてみてください」。4人は基板に定規を当て、目を凝らして誤差を確認する。

 ここは製造業派遣と請負を手がける日本マニュファクチャリングサービス(nms)が昨春、技能研修拠点として設けたEMSテクニカルセンター。電子部品の実装、修理、はんだ付けなどの技能を5~6日間で学ぶ。同センターの櫻井和明マネジャーは「昨年度の受講生は44人だったが、今年度は12月末まで100人を超えそうだ」と話す。

MSテクニカルセンター(宮城県岩沼市)
日本マニュファクチャリングサービスが社員に電子部品の基板実装の技能を伝授するEMSテクニカルセンター(宮城県岩沼市)(写真:尾苗 清)

 製造業派遣や請負では、従業員の技能習熟は現場任せになりがち。nmsが専門拠点を設けてまで、技能教育に力を入れる背景には、まさに人材派遣業が直面している問題が潜んでいる。

 民主党は、連立を組む社民党、国民新党とともに製造業派遣の原則禁止で足並みを揃えている。この流れを作ったのは、昨秋以降の無節操とも言える製造業の「派遣切り」だ。厚生労働省によると、2008年10月から今年9月末までの非正規雇用の失職者(予定含む)は23万2448人に達し、うち製造業派遣は59%弱に達する。民主党は格差是正に向けた決め球としたいようだが、正社員雇用を増やす効果は限定的。むしろ、これが法制化されると、職を失った派遣労働者は、再び職を見つけるのが困難になる。

 「多くの製造業派遣会社が廃業する」。nmsの小野文明社長は断言したうえでこう宣言する。「当社は来年3月末までに100%請負に転換する」。

 製造業派遣が不可能になれば、事実上、請負への転換に活路を求めるしかないが、その壁は高い。請負は発注元から独立して仕事をこなし、派遣とは異なり発注元の指揮命令下にない。このため品質面で厳しいチェックを受ける一方、単価の高い高度な仕事はなかなか回ってこない。つまり技術力のない請負業者は淘汰の憂き目に遭う。

 nmsが人材育成に注力する理由はここにある。小野社長は強調する。「技術力を高めれば単価が高い仕事が回ってきて、社員の給与も上げられる」。

 製造業派遣の禁止に対しては、日本経済団体連合会など財界だけでなく、人材派遣業界からも反対の合唱が巻き起こっている。雇用の受け皿を奪うという大義名分のほか、雇用調整弁の選択肢が狭まることへの危機感がある。

 製造業派遣が禁止となれば、メーカーと請負業者は新たな関係を構築する必要がある。nmsの技能研修に対し、一部のメーカーは資金支援しており、こうした取り組みも参考となろう。

コメント36

「時事深層」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人は何か自信を持って誇れるものを持っているはずです。

為末 大 元プロ陸上選手