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もう元には戻らない日本の政治

ジェラルド・カーティス氏が読み解く“自民党政治”の崩壊(上)

  • ジェラルド・カーティス

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2009年9月14日(月)

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 2009年8月30日は、日本の政治史にとって歴史的な日であった。その日に行われた総選挙の結果、政権交代が現実となったが、今回の選挙は政権交代という以上に深い意味を持っている。それは、戦後日本の政党政治の終焉にほかならないという意味だ。

 戦後、新憲法が成立して以降、今回の総選挙で初めて自民党ではない政党が衆議院で単独過半数を獲得した。これから民主党政権がうまく国家運営を行うことができるのか、あるいは自民党が復活して再び政権を奪い取ることになるのか、今の時点で予測はできないが、これからどんな展開になっても、元の政治に戻ることはあり得ない。

 下野した自民党は今までの野党とは違い、政権を担った経験がある。それを生かして民主党政権の政策を厳しく攻めることになるだろう。政権を担う民主党議員は、初めて政権運営、政策決定、官僚との関係、国家権力を知ることになる。選挙で負けて下野したとしても、与党の経験を持った野党になる。このことは、日本政治の新しい政党政治体系への移行を意味する。

だれが総裁になっても負けると思っていた自民党

 民主党の勝利、自民党の敗北の原因を探ってみると、この選挙が今までの政党政治の崩壊を意味していることが明らかになる。麻生太郎首相に対して有権者の支持は少なかったが、そのことがこの選挙の結果の説明にはならない。

 今まで麻生さんよりも支持率が低い総理大臣はいたが、総理が変わっても政権は変わらなかった。退陣直前の森喜朗氏の支持率は5・7%だった。竹下登氏はそれより少なく、最後にはゼロに近い3・9%だった。それと比べれば麻生さんの支持率の20%はそれほど悪くなかった。

 自民党が敗北したのは、麻生さんの責任は大きいと言っても、それがこの選挙の結果の説明にはならない。結局のところ、自民党が選挙の前に麻生さんを辞めさせて新しい総理総裁を選んで選挙に臨まなかったのは、だれになっても負けると思ったからである。

 アメリカやヨーロッパの国々の場合、選挙結果は経済情勢に大きく左右されるが、今の日本の不景気がこの選挙結果の説明にはならない。

 バブルが弾けてほぼ20年経っている。その間、1993年に自民党を飛び出した人たちを中心にできた細川政権と羽田政権の短期間を除き、自民党はずっと政権を維持してきたのである。

 もっと遡ると、日本では経済情勢が厳しくなったとき、「大変なときで不安だからとても野党に任せられない」という有権者の心理が働いて自民党は政権を維持できた。今回、そうはならかった。だから、「経済が悪い」が選挙結果の説明にはならない。

 もっと興味深いのは、投票所に足を運んだ有権者の間に民主党に対する期待はそれほど大きくはなく、民主党の主な政策に賛成する有権者もそれほど多くなかったことだ。

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