「衆院選「候補者A」かく闘わんとす」

第31話 当選した「新人候補者B」は小沢チルドレン?

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2009年9月11日(金)

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 政権奪取に成功した民主党で“小沢チルドレン”が注目を浴びている。

 民主党が衆院選で得た308議席のうち、新人議員は143人にも上る。その中には、次期幹事長に決まった小沢一郎もしくは小沢に近い現職国会議員から選挙で強力な支援を受け、当選を果たした者も少なくない。彼らが政権政党の一員として国政を担うに足る人物なのかどうか、メディアが関心を寄せるのも当然だろう。

 この連載で取り上げてきた民主党新人候補の「候補者B」は神山洋介(34歳)。立候補は、今回の総選挙に出馬せず引退した前衆院議長・河野洋平の地盤だった神奈川17区。元自民党総裁が長く君臨してきた選挙区で見事に当選を果たした神山は、公明党前委員長の太田昭宏を破った青木愛や、自民党で元防衛大臣の久間章生を破った福田衣里子のような小沢チルドレンではない。

 小沢からの選挙の応援は一切受けておらず、党から公認候補に支払われる選挙資金の提供があった以外は、すべて自力で選挙戦を闘ってきたのだ。

当選が決まった後、支援者の前でガッツボーズする神山 (撮影:筆者、以下同)
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1999年慶応大学卒、第一生命入社後、松下政経塾に

 「勝ったぞー!」

 自転車に乗っての連日の遊説で真っ黒に日焼けした両腕を突き上げ、神山がガッツポーズで雄叫びを上げた。共に勝利を祝おうと事務所に詰めかけた100人を超す支援者から、一斉に拍手が巻き起こる。

 総選挙投票日の8月30日午後9時30分――。NHKなどで「当選確実」が報じられてから1時間以上が経過した頃、神山が事務所に姿を見せた。

 実際の開票が始まるのを待っていたのだ。当確が決まった際には涙を流して抱き合っていたスタッフたちも、晴れ晴れとした表情で檀上の神山を見つめる。

選挙戦最終日、支援者らと街を歩く神山
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 「今後、お付き合いが10年、20年、場合によっては40年になるかもしれません」

 神山が笑顔で頭を下げると、支援者から再び大きな拍手と声援が飛んだ。

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著者プロフィール

出井 康博(いでい・やすひろ)

ジャーナリスト。
1965年岡山県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本経済新聞社入社、「ザ・ニッケイ・ウイークリー」記者、米国黒人問題のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」の客員研究員を経て、独立。主な著書に『松下政経塾とは何か』(新潮新書)、『年金夫婦の海外移住』(小学館)、『黒人に最も愛され、FBIに最も恐れられた日本人』(講談社)などがある。また日経ビジネス2002年9月30日号コラム「ひと烈伝」でヨシダソースで有名な米ヨシダグループの吉田準輝会長を寄稿、現在「フォーサイト」(新潮社)で「2010年の開国・外国人労働者の現実と未来」を長期連載中。最新刊に『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)がある。



このコラムについて

衆院選「候補者A」かく闘わんとす

ねじれ国会に、2代続けて首相の突然の辞任、そして総選挙。ざわつく国政に、テレビや新聞、そして週刊誌と政局関連の話題を取り上げているが、その当事者である代議士、そして代議士になろうとしている人たちは、いったい普段どんな生活をしているのかは意外と知られていない。本連載では、「地盤」「看板」そして「カバン」を持たない“フツー”の代議士や候補者の生活に焦点を当てることで、日本の政治はどのように作られるのか、そして現在の政治システムが抱える課題とは何かを浮かび上がらせていく。

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