「くめ納豆」ブランドで知られる納豆メーカー、くめ・クオリティ・プロダクツ(本社・茨城県常陸太田市)は8月25日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。売上高(2007年度)は約93億円。創業は1952年の老舗で、納豆市場では全国シェア3位グループの一角を占めていた。
「最後に“毒饅頭”を食べてしまったからね」。くめと取引のある食品メーカーの社長は、くめが追い込まれた経緯と理由を解説する。
大豆など原材料の調達コストが年々上昇する一方で、販売価格には転嫁できない。追い込まれたくめは、数年前から、大手小売りチェーンの要請を受け、PB(プライベートブランド)商品の下請け製造を始める。
下請け製造は、自社ブランドを持つ食品メーカーとしては苦渋の選択だが、大量注文を受ける「数」はくめにとって魅力だった。工場稼働率を上げるためにはやむを得ないと判断した。ところがこれが、くめにとっては、先の社長いわく“毒饅頭”となる。
「3パック58円」で収益悪化
小売りとの蜜月は続かない。納豆や豆腐などの「日常のおかず」は消費者が日々購入する商品なので、小売業も価格訴求の目玉にしがちだ。PBとして力を入れる分野でもある。「納豆3パック58円」など低価格化が極端に進み、利幅が削られていった。

食品業界で資源高を背景とした値上げが相次いだ2008年の春にも、PB化が進み価格競争が激化していた納豆だけは値上げされなかった。「業界全体が同質化競争にのめり込んでいた」とくめの関係者も振り返る。
気づけば、耐え切れないほどの薄利になっている。しかし、取引を中止すれば、一気に売上高が縮む。工場の稼働率が悪化し、資金繰りも滞る。だから、やめたくてもやめられない。
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