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「年金がまったくもらえない」という誤解

前回までの批判に答えて

  • 伊藤 亮太

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2009年9月18日(金)

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■第5回の要旨
 公的年金は数多くの問題を抱えている。その中には、制度そのものに対する批判もあれば、社会保険庁のずさんな管理といった組織に対する批判もある。しかし、それらが年金を破綻させてと説く考え方には誤解がある。前回までのご批判、ご意見に対する筆者の見解を述べることで、公的年金の問題に関して再度整理をしていこう。


 前回までの話の中で、制度の概要や年金の受給額、保険料率など公的年金の基礎知識について説明してきた。その中で、様々なご批判やご意見もいただいた。

 例えば、厚生年金の保険料に対する考え方に対する指摘や社会保険庁のムダ使いに関する意見などである。

 公的年金の世代間格差という本論を掲載する前に、そういったご批判やご意見に対する私なりの意見を述べる機会をいただくことで、公的年金の問題に関して再度整理をしたいと思う。

 公的年金の問題には、公的年金制度に対する批判と社会保険庁に対する批判がある。前者の中には、公的年金は破綻しており、年金は全くもらえないといった悲観論もあるが、「まったくもらえないこと」はまず、ありえないことも指摘したい。

 また、後者の社会保険庁に対する批判はごもっともであり許せないことだ。だが、年金破綻の可能性とはまったく別問題であり、公的年金の本質的な問題ではないことをあえて指摘しておきたい。

厚生年金保険の保険料はすべてサラリーマンが負担?

 厚生年金の保険料は、勤めている人の給与をもとに標準報酬月額、つまり基準となる報酬を決定して、これに保険料率をかけて計算された金額を労使折半して納めることとなっている。つまり、被保険者(サラリーマンなど)と事業主が折半で保険料を負担している。

 このことに対して、事業主負担分は賃金費用の一部であり、実際には被保険者がすべて保険料を拠出しているため、「労使折半」は被保険者のメリットとはいえないというご指摘があった。

 事業主負担分の年金保険料が、賃金の一部としてサラリーマンに転嫁され、サラリーマンが全額保険料を負担しているという理論的根拠は果たしてあるのであろうか? 保険料率が引き上げられた際の事業主が追加で負担する保険料は、賃金を引き下げることで支払われたのであろうか?そんな例は聞いたことがない。

 また、事業主負担保険料が仮に廃止されたとしたならば、その全額が賃金として必ず支払われるとは思えない。特に中小企業の場合、労使関係は使用者側の方が力が強いと言え、廃止された場合の保険料は、企業の生産費用にまわされたり、配当引き上げなど他の部分にまわる可能性も考えられる。

 そのため、事業主負担保険料部分があることは厚生年金加入者にとってメリットといえると私は思うのである。

 事業主が負担する社会保険料や法人税などが他の部分に転嫁されないかと言われれば転嫁されることもあるであろう。ただし、それがサラリーマンの賃金の引き下げという形だけではなく、商品価格の引き上げやコスト削減といった企業努力によって吸収されるパターンの方が多いのではないだろうか。

 さらにいえば、サラリーマンの給与明細に記載されている社会保険料負担部分には、サラリーマンが実際に支給された給与から負担した保険料分しか記載されていない。

 もし事業主保険料負担部分が賃金とみなされるのであれば、給与にその分が上積みされた金額が給与支給欄に記載され、保険料控除部分や社会保険料として支払う金額部分にその事業主負担分も加えた金額が記載されてもよいのではないだろうか?

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