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「JANA」が国交省の狙い?

外資提携、日本航空再建の切り札にならず

2009年9月20日(日)

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 日本航空(JAL)の経営再建を巡り、米デルタ航空や米アメリカン航空との資本・業務提携がにわかに浮上している。監督官庁の国土交通省はデルタとの提携の旗を振り、これに日航と同じ国際航空連合グループに属するアメリカンが危機感を強め、出資に名乗りを上げたという構図だ。

国交省は「強制しない」と言うが

 「(日航に対し)海外航空会社との提携を含め、外部資源の活用を図っては、と勧めているが、選択するのは日航であり、強制するものではない」

3大航空連合と主な加盟航空会社

 デルタ、アメリカンが日航への出資を検討していることが表面化した14日、谷口博昭・国交省事務次官は定例の会見でこう語り、冷静さを繕った。しかし表向きとは裏腹に、7月以降、再建計画を巡り日航と同省は水面下で激しいやり取りを繰り広げてきた。

 日航が検討を進める再建計画は運航路線・便数の縮小や人員削減などが中心。国交省はこれに強い不満を示し、「国際航空連合『ワンワールド』から、『スカイチーム』への移籍を強く促すようになった」(航空関係者)という。

 国際航空連合は航空会社の相互扶助組織。現在、スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームの3連合が存在する。このうちデルタはスカイチームに、日航はワンワールドに所属。「航空連合の移籍」という国交省の提案はデルタとの提携が狙いだったが、日航は同省に一度は「航空連合を乗り換えるつもりはない」と答えたという。

 結局、国交省の強い意向に抗えず、日航の竹中哲也副社長が交渉に向けて渡米した。一連の経緯から滲み出てくる国交省の強硬姿勢は何ゆえなのか。

 デルタは昨年10月、太平洋路線に強みを持つ米ノースウエスト航空(NW)と合併した。デルタはNWを取り込むことで同路線を拡充、業界全体で週約440便に上る日本~米国路線のうち、約3分の1を占めている。

 対する日航はここ数年、テロや新型インフルエンザなどの影響で国際線の収支が悪化するケースが多く、経営の大きな不安定要因になっている。デルタとの結びつきを深めれば、共同運航の本数を増やすなどして国際線事業に内在するリスクが軽減できる。国交省がデルタにこだわる最大の理由はここにある。

 しかし当の日航が引き気味なのは、一義的にはワンワールドからスカイチームへの移籍で生じるコストの問題。アメリカンとの共同運航解消やマイレージ交換、コンピューターシステムの作り替えなどの課題が持ち上がる。

 これに加え太平洋路線での存在感の問題もある。ワンワールドに属せば、太平洋路線についてグループ内で主導権を握れるが、デルタと提携をすれば、盟主の座を明け渡すことになる。「太平洋路線強化を目指すデルタの日航への出資に乗れば、日航の牙城は崩される」と航空関係者は見る。

JAL+ANA=JANA

 デルタ、アメリカンのいずれであれ海外の航空会社から出資を受け、国際航空連合とのつながりを強化する場合、日航の立ち位置は「アジア路線に強い航空連合の一員」ということになる。それは1999年、もう1つの国際航空連合であるスターアライアンスメンバーになった全日本空輸(ANA)の姿とどこか重なる。

 全日空はスターアライアンスへの加盟後、長距離の国際線を縮小し、中国便を増やすなどアジア路線に集中する戦略に舵を切った。一方で採算が合わなかった関西国際空港~ロンドン線や関空~フランフルト線を2000年に休止。米同時多発テロ後に運休となった成田空港~シカゴ線は、メンバーである米ユナイテッド航空との乗り継ぎに便利なこともあって2006年に復活した。

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「「JANA」が国交省の狙い?」の著者

小平 和良

小平 和良(こだいら・かずよし)

日経ビジネス上海支局長

大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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