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恭順「民主党シフト」敷いた財務省の深謀遠慮

「鳩山の思慕」「小沢人脈」が突破口、次の一手は「菅の籠絡」か

  • 児玉 博

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2009年9月24日(木)

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 鳩山内閣がようやく動き始める。直前まで厳しいかん口令が引かれた閣僚人事は、ふたを開けてみれば実に穏当な人事配置だった。

 国民新党代表、亀井静香の処遇が法務大臣に始まり、総務相、防衛相そして郵政・金融担当大臣へと二転三転したのがハプニングといえばハプニングだったろうか。

「小沢さんが首を縦に振るまで言い続ける」

 そして焦点となっていた財務相のポストには長老、藤井裕久が就任した。

首相の鳩山由紀夫は藤井裕久の財務大臣起用にこだわった © AP Images
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 組閣が取り沙汰され始めてから、藤井の処遇については、財務大臣の当確情報が流れたかと思うと、それを打ち消す話が流れ、最後まで予断を許さぬ状況が続いた。

 それは取りも直さず民主党代表、鳩山由紀夫と幹事長、小沢一郎との綱引きにほかならなかった。

 側近であっても一度関係がこじれると修復困難な小沢の性格。西松建設からの違法献金問題で小沢批判を繰り返した藤井に対し、小沢の不快感は尾を引いていた。

 民主党結党当初、結党資金のほとんどを賄い、実質的なオーナーである鳩山だが、自由党との合併以来、自らは一歩引くようにし、常に小沢を立て続けてきた。しかし、その鳩山が首を縦に振らない小沢に何度も掛け合い、押し通したのが藤井の財務大臣での起用だった。

 「鳩山さんの藤井さんへの信頼は厚い。『小沢さんが首を縦に振るまで言い続ける』と鳩山さんは笑いながら漏らしていた。説得する自信があったんじゃないですか」(鳩山の側近議員)

鳩山の父は保守本流の大蔵官僚だった

 藤井への信頼の背景には鳩山の財務省、というよりも大蔵省への思慕の念があるようだ。

 祖父、鳩山一郎の陰に隠れてしまいがちだが、鳩山の父、威一郎は大蔵省の保守本流である主計畑を歩み、事務次官にまで上り詰めた大蔵官僚である。

 温厚さに加え、気さくな性格でもあった威一郎は、主計局長などだった時代、予算編成で徹夜作業を強いられる主計官ら部下たちに自腹で夜食を届けたり、予算編成が終わると部下たちを自宅に招いては慰労することを常としていたという。

 威一郎の部下として鳩山の家の門をくぐり、酒食を共にし、今も各界のしかるべき地位にいる大蔵省OBは決して少なくない。

 首相、鳩山由紀夫はいわばそうした大蔵ファミリーの一員として育ってきた。大蔵省への信頼感、親近感を皮膚感覚として身にまとっているのである。

小沢の元秘書官が財務省で大抜擢された

 財務省もいち早く民主党への恭順の意を示していた。霞が関の中でこれほど早く人事的に民主党への距離感を明確にした役所はほかにない。

 今夏の財務省人事は霞が関、永田町をアッといわせた。

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