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経済危機はエコ推進のチャンス

日本はオイルショックをバネに「高効率国」となった

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2009年9月25日(金)

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 米国の哲学者、レオポルド・コールはかつて、現代の産業経済をこんな具合に揶揄した。

 「船は、あと1マイル流されると、ナイアガラの滝に飲み込まれてしまう。危険がすぐそこまで迫っているというのに、左右両派の政治家たちは、肥大した船体の側面を修理するべく無駄骨を折っている」

 それは1970 年代のこと。コールは小さな組織、シンプルな生活様式をよしとしていた。

破綻したまま持続不可能となった金融手法

ピーター・サンズ氏(Peter Sands)
スタンダードチャータード銀行グループ最高経営責任者
1962年生まれ、47歳。英オックスフォード大学を卒業後、米ハーバード大学で公共管理学の修士号を取得。88年マッキンゼー&カンパニーに入社し、96年にパートナー、2000年にディレクター。2002年にスタンダードチャータード銀行グループに転じてエグゼクティブディレクターになり、2006年11月から現職。幼少期からアジア圏での生活が多く、現在、4人の子供がいる。
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 昨年9月、世界経済は再びそんな危機に近づいたと多くの人が思った。それからあっという間に半年が過ぎ、私たちは最悪の金融パニックは回避した感がある。

 だが、そもそも私たちを崖っぷちへ追い込んだ持続不可能な経済の不均衡は、果たして退散したのだろうか。

 答えは、残念ながらノーである。

 むしろ金融危機は、途上国を中心とした何百万という人々を再び貧困へと追いやるとともに貧富の差を拡大している。そして、環境に考慮した持続可能な開発の動きを数年間、後戻りさせることで、そうした不均衡の一部をさらに悪化させている。

 銀行業では、過度のリスクテイクや企業統治・管理の失敗、かつてないほど複雑化した金融商品、多くの金融機関における過度のレバレッジ(てこ)が、破綻したまま持続不可能になってしまった。

 すると今は、新しい世界秩序を築くチャンスなのだろうか? もちろん、その通りだ。

今こそ「誠実さ」の出番である

 ただし、条件がある。それは、何百万という人々を貧困から救い出す効果があった現行の経済システムの最も優れた部分を残すことだ。

 そして、人々が銀行に対する信頼を取り戻し、金融システムを慎重に規制し、人間の知恵によって小規模事業で何千人もの雇用を創出し、そして、環境をより重視した技術を推進できれば――。

 今こそ「誠実さ」の出番である。子供たちによりよい社会を残したければ、グローバルな経済秩序を修復しなければならない。そうした新たな国際秩序を築くうえで、持続可能な銀行業が重要な役割を担っている。

 グローバルな商業銀行は、これを3つの方法で幅広く実現することができる。

コメント2件コメント/レビュー

「25%削減」鳩山構想の危うさ国内経済に与える影響を検証する25%削減目標がイノベーションをもたらすと主張している人々は、省エネ技術の改善程度のことを想定しているのではない。むしろ、基礎研究上の大発見が革命的な技術革新を生むことを期待しているのだろう。2020年までにあとどの程度の大技術革新が期待できるのか、何か具体的なアイデアを持ち合わせているのだろうか。削減目標が厳しければ厳しいほど経済成長にはマイナスに作用し、国民負担も増加するという結論は、世界の有力研究者の研究成果をまとめたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)においても、2007年に発表された第4次報告書で、正式に報告されている。80年代、90年代には、省エネ技術の飽和、省エネの投資機会が減少し、省エネがやりやすい機会=low-hanging fruitsは、既に取り尽くした状況となり、原単位改善率は低迷している。今後、90年比25%削減目標が正式なものとなれば、経済との両立(1.3%成長)の必要条件としての原単位改善率は毎年4.2%となるが、これはこれまでの歴史上達成したことのない高い改善率である。経済界が25%目標に対して懸念を表明しているのは、技術開発能力に自信がないからではなく、技術開発だけで達成できる目標値ではないという現実的な判断に基づくものであろう。グリーン・ニューディールに期待する向きが常に例に挙げる太陽光パネルや次世代自動車の経済効果はどのくらいだろうか。産業連関表を使って太陽光パネルや次世代自動車の粗付加価値額を計算することが必要になるが、その場合、太陽光発電の導入によって排除されるエネルギーに関連する機器やサービスを控除したり、次世代自動車が普及するに従って、従来型のエンジンが不要になる分などを控除して計算する必要がある。こうした配慮が一部なされているようだが、東京大学の湯原哲夫特任教授が 中期目標検討委員会に提出した資料 によれば、太陽光パネルはエアコン並み、次世代自動車も発泡酒並みだと結論付けられている。(2009/09/27)

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「25%削減」鳩山構想の危うさ国内経済に与える影響を検証する25%削減目標がイノベーションをもたらすと主張している人々は、省エネ技術の改善程度のことを想定しているのではない。むしろ、基礎研究上の大発見が革命的な技術革新を生むことを期待しているのだろう。2020年までにあとどの程度の大技術革新が期待できるのか、何か具体的なアイデアを持ち合わせているのだろうか。削減目標が厳しければ厳しいほど経済成長にはマイナスに作用し、国民負担も増加するという結論は、世界の有力研究者の研究成果をまとめたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)においても、2007年に発表された第4次報告書で、正式に報告されている。80年代、90年代には、省エネ技術の飽和、省エネの投資機会が減少し、省エネがやりやすい機会=low-hanging fruitsは、既に取り尽くした状況となり、原単位改善率は低迷している。今後、90年比25%削減目標が正式なものとなれば、経済との両立(1.3%成長)の必要条件としての原単位改善率は毎年4.2%となるが、これはこれまでの歴史上達成したことのない高い改善率である。経済界が25%目標に対して懸念を表明しているのは、技術開発能力に自信がないからではなく、技術開発だけで達成できる目標値ではないという現実的な判断に基づくものであろう。グリーン・ニューディールに期待する向きが常に例に挙げる太陽光パネルや次世代自動車の経済効果はどのくらいだろうか。産業連関表を使って太陽光パネルや次世代自動車の粗付加価値額を計算することが必要になるが、その場合、太陽光発電の導入によって排除されるエネルギーに関連する機器やサービスを控除したり、次世代自動車が普及するに従って、従来型のエンジンが不要になる分などを控除して計算する必要がある。こうした配慮が一部なされているようだが、東京大学の湯原哲夫特任教授が 中期目標検討委員会に提出した資料 によれば、太陽光パネルはエアコン並み、次世代自動車も発泡酒並みだと結論付けられている。(2009/09/27)

欧米では少数派の珍しい(私の寡聞は棚に上げさせていただきますが)‘倫理的発想’をもたれた銀行経営者であり、このような思考を米国銀行経営者がお持ちであれば、多分米国発の金融危機・世界経済危機は回避できたのではないかといっても過言でないのではと思われます。また、オイルショックの危機を世界最先進の省エネ国家に変身させた日本に言及され(表現は別として)嬉しく感じるところです。日本の産業界は是非率先して積極的に民主党が掲げたCO2‘25%削減’達成に大きく貢献する技術開発を実現し、再度世界の敬意・賞賛を得ていただきたいものだと思います。関連で、国際・国家プロジェクトを主導する事も検討に値するのではとも思います。(2009/09/27)

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